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    災害派遣めぐり当初は“見送り”の責任を自衛隊に転嫁 実際は静岡県の職員も「非代替性に欠ける」と進言 県が“誤発表”認める 国内最大級の竜巻めぐり 陸自に謝罪するかについては明言せず

    2025年10月03日19:00

    台風15号に伴う竜巻被害を受けた牧之原市への自衛隊の派遣要請をめぐり、静岡県の鈴木康友 知事が会見で「要件を満たさないため派遣しないという方針だった」と一方的に断られたと受け取れるニュアンスで説明したことについて、県が誤りを認めた。

    災害派遣見送りは陸自の判断と主張

    静岡県牧之原市と吉田町では9月5日、台風15号に伴う国内最大規模の竜巻が発生し、このうち牧之原市では9月30日時点で全壊51棟を含む853棟で住宅被害が確認されている。

    静岡県では牧之原市からの要請を受け、災害廃棄物の除去や入浴支援、給食支援について自衛隊に対して2度にわたり災害派遣を打診したものの、鈴木知事は9月30日の定例記者会見で「自衛隊としては今回の案件については派遣の要件を満たさないということで、派遣しないという方針だった」と一方的に断られたと受け取れる発言をした。

    また、自衛隊の災害派遣は緊急性(状況から見て差し迫った必要性があること)公共性(公共の秩序を維持する観点において妥当性があること)非代替性(自衛隊の部隊等が派遣される以外に適切な手段がないこと)の3つの要件を総合的に勘案して判断し、やむを得ない事態と認められる場合に実施することを原則としているが、酒井浩行 危機管理監は「3要件に該当しないという回答で、具体的にどの部分に該当しないのかという説明はなかった」と話している。

    異例…陸自のトップが反論

    これに対し、陸上自衛隊のトップにあたる荒井正芳 陸上幕僚長は10月2日の記者会見で、派遣の打診があった災害廃棄物の除去や入浴支援、給食支援に関してはいずれも「自治体等により対応可能であると(陸上自衛隊 板妻駐屯地)第34普通科連隊と県の間で認識共有がなされた」と事実上の反論をした。

    荒井陸上幕僚長は県と第34普通科連隊との調整の結果、特に非代替性の部分で要件に該当しないとの判断が下されたとの見解を示し、「県も合意している」と強調。

    その上で、県から正式な災害派遣要請は受けていないことを明かし、事前の調整の段階で双方の認識が一致したことから「災害派遣要請が発出されなかったと承知している」と述べている。

    会見から3日…県が誤り認める

    こうした中、県の酒井危機管理監が10月3日夕方、取材に応じ、「自衛隊との調整の中で、県から自衛隊に対して今回の事案については非代替性に欠けるということを述べていたことが判明した」と県側の認識に誤りがあったことを認めた。

    酒井危機管理監は「あくまでも事前の調整で、結論には至っていないという認識だった」と釈明し、誤った発表をした原因について「組織内で意思疎通ができていなかった」としている。

    しかし、陸上自衛隊に対して謝罪するかについては明言を避けた。

    牧之原市長は恨み節

    一方、被災から1カ月となるのを前に牧之原市の杉本基久雄 市長も同日会見を開き、自衛隊による災害派遣の基準について「判断手法を明確にすることが必要」と主張。

    「今回の判断にあたっては現地の状況を十分に踏まえた上で決定してもらうことが望ましい」と口にし、「自衛隊にしても県の危機管理部にしても実際に現地には入っておらず、調査にも来ていない」と恨み節をこぼした。

    ただ、自衛隊は法律により「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛すること」が主たる任務と規定され、防衛白書によると災害派遣もこれに含まれるが、各地で災害が頻発化する中で杉本市長に理解が得られるのかは不透明な状況となっている。

    (テレビ静岡)

    災害派遣めぐり当初は“見送り”の責任を自衛隊に転嫁 実際は静岡県の職員も「非代替性に欠ける」と進言 県が“誤発表”認める 国内最大級の竜巻めぐり 陸自に謝罪するかについては明言せず
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