納豆といえば、糸引く粘りが特徴です。この個性を最大限に引き出すには、どのようにまぜればよいのでしょうか。美食家として名を馳せた北大路魯山人(1883〜1959年)は、著書『魯山人味道』のなかで下記のように記しています。
「納豆を器に出して、それになにも加えないで、そのまま、二本の箸でよくねりまぜる。そうすると、納豆の糸が多くなる。蓮から出る糸のようなものがふえて来て、かたくて練りにくくなって来る。この糸を出せば出すほど納豆は美味くなるのであるから、不精をしないで、また手間を惜しまず、極力ねりかえすべきである。」
納豆をどのくらいまぜるかは好みもあると思いますが、粘りには旨味を司る成分が含まれているそうです。魯山人に倣って自分好みの粘りが出るまでねりまぜてみましょう。魯山人は、「最初から醤油を入れてねるようなやり方は、下手なやり方である。」とも述べています。確かに、最初に醤油などの液体を入れてしまうと、なかなか粘りが出ませんね。充分に納豆をまぜてから調味料や薬味を入れるのが、粘りを引き出すコツといえそうです。
定番のネギはもちろん、キムチ、山芋、アボカド、今の季節は青紫蘇やたたき梅などを合わせて、蒸し暑い季節を納豆パワーで乗り切りましょう!
参考サイト
全国納豆協同組合連合会日本ナットウキナーゼ協会おかめ「納豆サイエンスラボ」参考文献
北大路 魯山人・著/平野 雅章・編 『魯山人味道』中央公論新社