地震保険に加入すれば、地震による損害をすべて保障してもらえると思っている人もいるようですが、地震保険の保険金額は火災保険で設定した保険金額の30~50%の範囲と定められています。さらに保険金は下記のように損壊レベルによって、支払われる金額が変わります。
全損:地震保険の保険金額の100% (時価が限度)
大半損:地震保険の保険金額の60% (時価の60%が限度)
小半損:地震保険の保険金額の30% (時価の30%が限度)
一部損:地震保険の保険金額の5% (時価の5%が限度)
もし火災保険で建物の保険金額を2,000万円に設定していたら、地震保険の保険金額は最大1,000万円までしか設定できません。そして地震被害が大半損と判断されると、受け取れるのはその60%ということで、支払われる保険金は最大600万円ということになります。
このときの損害額は時価で計算されますので、もし建物の評価額が下がっていると、受け取れる保険金はさらに減ります。これではとても家を建て直せないと思うかもしれませんが、実は地震保険は家を建て直すための保険ではありません。
地震保険は、被災したときに生活を再建するためのサポートを行うことを目的としています。火災保険のように元の状態に戻すのではなく、しばらくの生活費やローンの支払いなどで困らないようにするために保険金が支払われます。
このように地震保険に加入したからといって安心というわけではなく、家を建て直すためには自分で貯蓄もしておく必要があります。
ポイント
・火災保険の50%が保険金額の上限
・建物の損壊レベルで保険料が変わる
・保険金額は時価で計算される
【参考】
補償内容|損保ジャパン