春に豊作を祈り、秋の収穫に感謝する稲作を中心とした営みを、日本人は2000年以上繰り返して来ました。
・祈年祭(きねんさい)
神宮では天照大御神をはじめとする神々にお食事をお供えする大御饌(おおみけ)の儀が早朝行われ、続いて勅使が天皇陛下の幣帛を奉る奉幣(ほうへい)の儀が行われます。祈年祭は両正宮に引き続き2月23日まで、すべての宮社で執り行われます。
・神嘗祭(かんなめさい)
年間1500回に及ぶ神宮の恒例のお祭りの中でも、最も重要なお祭りが神嘗祭です。
神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、御恵みに感謝するお祭りで、神宮の最も由緒深い祭典です。浄闇の中、午後10時と午前2時の二度にわたって由貴大御饌の儀が行われ、神宮神田で清浄に栽培された新穀の御飯・御餅・神酒を始め、海の幸、山の幸をお供えし、明くる正午には、勅使をお迎えして奉幣の儀を奉仕します。御卜(みうら)、御神楽(みかぐら)などの諸祭を行います。神宮神田(じんぐうしんでん)で行われる神田下種祭(しんでんげしゅさい)、秋の抜穂祭(ぬいぼさい)、御酒殿祭(みさかどのさい)、御塩殿祭(みしおどのさい)、大祓(おおはらい)があり、神宮の年間の祭典は神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。五穀豊穣を祈るこのように神嘗祭は、諸神に先立ち収穫の感謝を天照大神に捧げ、翌11月に天皇陛下は新嘗祭を行われて天神地祇すべての神々に収穫を感謝されるのです。古来お米を主食として生きてきた日本人にとり、神嘗祭は重要な祭儀であり、その意義は今日も古代から一貫して変わることはありません。
お祭りでは秋の実りに感謝申し上げ、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します
・新嘗祭(にいなめさい)
「しんじょうさい」ともいい、「新」は新穀を「嘗」は奉ること意味し、収穫された新穀を神に奉り、その恵みに感謝し、国家安泰、国民の繁栄をお祈りします。現在、このお祭りは毎年11月23日に宮中を始め、日本全国の神社で行われていますが、特に宮中では天皇陛下が自らお育てになった新穀を奉るとともに、御自(おんみず)からもその新穀をお召し上がりになります。収穫感謝のお祭りが11月下旬に行われるのは東北や北陸などの収穫を天皇が待っておられると説明されています。
神宮では神嘗祭で新穀が奉られるため、新嘗祭はありませんでしたが、明治5年に勅使が差遣されて行われたのが始まりです。
参拝時間内の祭典については、参道などからご覧になれます。 ※夜間の参拝停止時間中の祭儀は奉拝できません。
★参照 伊勢神宮公式ページ 年間行事