カレーが日本に伝来した当初は文明開化を表すあこがれの料理でした。ルウの中に野菜(副菜)と肉や魚(主菜)が含まれ、ごはんと合わせることで主食も摂取できます。さらにスパイスの辛みで塩分を抑えつつ食欲を増進できることから、理にかなった食事として一般に広まりました。昭和に入ってカレールウが開発されたことも手伝って、日本中の家庭にカレーが浸透しました。
今や、ご当地や各国のカレーがレトルトで多種販売されており、様々な味を楽しめると同時に、防災食としてもかかせないものになっています。
海上自衛隊では、曜日の感覚がわからなくならないよう、金曜日がカレーの日とされており各艦オリジナルのカレーの味が公開されています。ご家庭でもぜひ、作ってみてはいかがでしょうか。
艦めし「カレー」(海上自衛隊レシピ)さて、いちから美味しいカレーを作ることに挑戦する場合の最大のコツは、まずタマネギをよく炒めることにつきます。さらにカレーを美味しくする基本スパイスは、クミン、コリアンダー、ターメリック、赤唐辛子の4種類。それにカルダモンやシナモンなどのスパイス、ニンニク、ショウガを加えて、最後にガラムマサラを少しく加えるだけで、本場の味に近づきます。
スパイスの基本作用は大きく分けて、「香り付けや臭み消し」「辛味付け」「色付け」の3つに分けられます。この考え方を基本に、組み合わせるとよいですね。
カレーのスパイスでよく耳にするガラムマサラは、インドにおいては、ガラム=熱い、ホット(Hot)、マサラ=混ぜたものといった意味があり、各家庭、店によって秘伝のブレンドが異なります。お肉の下味や料理のアクセントとして加え、スパイシーな料理に使われる機会が多くなっています。日本でも市販のものを入手することができます。
アレンジのスパイスに何を加えるかということと、どのガラムマサラを加えるかの組み合わせで、自分流の味を探求していくのも奥深いですね。カレーの研究家やマニアの人のおすすめを試してみるのも面白いかもしれません。
●クミン:カレーの決め手となるスパイス。クミンを入れないカレーはホップが入っていないビールのようなものともいわれる
●コリアンダー:主に香り付けに使われ、肉の臭みを消し、塩味にまるみを与え、甘みを引き立てる
●唐辛子:カレーの辛みの主成分
●ターメリック:カレーの黄色をつけるスパイス。日本のウコン
●ガラムマサラ:ブレンドスパイス
〇シナモン:辛みをソフトにし全体に深みをつける
〇カルダモン:香りづけと肉の臭み消しに
〇クローブ:食欲を増進させる、カレースパイスの引き締め役
〇黒コショウ・白コショウ:料理の風味を豊かに
〇ナツメグ:甘い香りとほろ苦さを出したいときに
〇フェネグリーク:苦みとほのかな香り
参照:
横濱カレーミュージアム