熊本市の下通アーケードにあった大洋デパートで１０４人が犠牲となった火災から２９日で５０年です。
近くの慰霊碑には朝から遺族などが訪れ犠牲者を悼んだほか、大型商業施設では、火災を想定した消防訓練が行われました。
１９７３年１１月２９日に熊本市の繁華街で起きた大洋デパート火災。
死者１０４人を出す国内のデパート火災史上最悪の大惨事となりました。
この火災から５０年となった２９日、白川沿いにある慰霊碑には朝から遺族などが訪れ、手を合わせて犠牲者を悼む姿がありました。
【大洋デパート火災で父を亡くした 原田 真羊さん】
「遺族として誹謗中傷を受けた方もいらっしゃるだろうし、話ができない状況の方もいたと思う。でもこういうことを二度と繰り返さないよう、これから知らない世代に伝えていけたら…」
『大洋デパート火災の教訓を防災につなげることが犠牲者への供養になる』と遺族は話します。
一方、熊本市中心部の大型商業施設『サクラマチ クマモト』では火災を想定した消防訓練が行われました。
はじめに、熊本市の大西市長などが大洋デパート火災で犠牲となった人たちに黙とうを捧げました。
【熊本市西消防署 中村 雅司 署長】
「（消防隊員たちは）当時のことを思いつつ、熊本市民を守っているという自負を持って、これからも進んでいっていただきたい」
「熊本城ホールの４階とサクラマチ クマモトの３階から出火し、客や従業員など７人が逃げ遅れた」との想定で行われた２９日の訓練。
消防隊員が防災ヘリやはしご車、それにロープを使って逃げ遅れた人の救助に当たりました。
【大西 一史 熊本市長】
「これからも語り継いでいく。訓練を節目の日に繰り返していくことで熊本市民の命を守っていくということに取り組んでいきたい」
