
津波で園児と職員が亡くなった宮城県山元町の幼稚園では、あの日にはまだ生まれていなかった子供たちが震災の話を聞き命の大切さを学びました。
ふじ幼稚園 鈴木信子園長
「東日本大震災、みんなはまだ生まれていません。みんなのお兄ちゃんやお姉ちゃんもまだ生まれていないかもしれません。あの時に大きな地震が起きました」
山元町の「ふじ幼稚園」は東日本大震災の津波で送迎バスに乗っていた園児8人と職員1人が亡くなりました。
園は2度とこのようなことがないようにと、震災後、毎月1度は必ず避難訓練を行い、子供たちに震災のことや命の大切さについて伝えています。
3月11日は、園に通っていた5歳の娘を亡くした両親が防災への思いを込めて作詩した歌を、亡くなった子どもたちに向けて歌いました。
「ひとりひとり、たったひとつのいのち、まもっていくよ」
あの日の教訓は次の世代に確かに伝わっています。
年長 涌井澄也くん
「きょうは大きな地震があった日です。地震があったら机の下に隠れます」
年長 竹澤悠綺くん
「命を守ることを伝えていきたいです」
ふじ幼稚園 鈴木信子園長
「私たちにとっては、命を管理下で失ってしまった幼稚園ですので、命の大切さ、防災・危機管理の大切さを全国に広めていきたい。自分たちの使命だと思って進めている」