6日、取材班が向かったのは長野県内で最大の湖・諏訪湖。
そこに広がっていたのは大量の水草です。
なぜか湖面いっぱいに生い茂った水草。
この藻の大繁殖による影響は、観光やボート競技にまで広がる異常事態が起きていました。
諏訪湖で盛んなボート競技に携わる人たちも困惑していました。
ボート選手:
(オールが)戻らなくて、このままの状態でこういうふうに体が引っかかっちゃう。
下諏訪町漕艇協会・久保田和美副会長:
“藻のじゅうたん”です。
9月14日には大きな大会も開かれる予定。
しかし、2つのレーンを藻が埋め尽くしているため、週末の早朝から約100人態勢で“刈り取り作戦”に乗り出したのです。
「イット!」もボートに乗り込み同行取材へ。
下諏訪町漕艇協会・事務局長:
今年は特に多いです。例年の10倍くらいあります。
水中を撮影してみると、視界は全て藻で遮られた状態です。
そこに鉄製の道具を投入すると、まるでカーテンのような長い藻が大量に絡みついていました。
地元から悲鳴が上がる藻の大増殖。
この大増殖は観光業にも影響を及ぼしていました。
大自然を堪能しながら諏訪湖を巡る人気のスワンボート。
そのスクリューにも藻が絡みついてしまっていました。
スワンボートのレンタル業者:
(藻が)絡まって、お客さまも(漕ぐ時に)重たくなってしまったり、動かなくなったりもあるので課題になっている。
地元の人たちは、藻が増殖した原因をこう推察します。
下諏訪町漕艇協会・朝倉大貴副会長:
雨が少なかったおかげで水温が高い状態が保たれて、おそらく藻が繁殖しやすい適温がずっと続いてしまっている。水質がよくなって、水がきれいになっているので、すごく光が通ってきて光合成がしやすいなどが考えられます。
一方で、藻の大繁殖にはメリットもあるといいます。
長野県諏訪湖環境研究センターは「藻が水中に酸素を供給することで魚などの生き物が産卵場所や餌場として活用することになり繁殖しやすくなる」と指摘しています。