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    よく見ると左右で“穴”の大きさが違った?身近なコンセントの仕組みに疑問…理由を日本配線システム工業会に聞いた

    2023年09月24日11:21




    家電などを使うには、壁などにあるコンセントに電源プラグをさして電気を使っている。普段から何げなく使っているが、コンセントの左右の穴の大きさが異なっていることにお気づきだろうか?






    よく見ると左側の穴が少し大きいのだ。一般的な家庭用(100V)コンセントの場合、左側は約9mm、右側は約7mmとなっているという(JIS C 8303や電気用品安全法施行規則によって定められている)。



    しかし、さし込む側である電源プラグの方は、長さや幅など左右ともサイズが同じだ。そのため方向を確認してからさし込むことなどないのではないだろうか。



    一体なぜ穴の大きさが異なっているのか?電源プラグをさすのに正しい方向があったりするのか? コンセントの疑問について、日本配線システム工業会の担当者に教えてもらった。



    もしもの事故を防ぐため



    ーーなぜ左右でコンセントの穴の大きさは異なっている?



    コンセントの穴の大きさが左右で異なる理由は、コンセントに極性(電気がプラスからマイナスに流れる性質)があることに由来しています。向かって左側の大きい穴が「接地側」と呼び、地面に接続(接地)されています。対して右側の小さい穴は「非接地側(電圧側)」と呼び、電力供給を行う役割をします。



    コンセントには極性があって、そのどちらが「接地側」であるのかを分かるように区別するために、左側の穴が大きくなっています。





    ーーなぜ片方を地面に接続するの?



    発電所で作られた電気は、電気を使用する住宅などの手前まで高圧(6600V)で届いています。これを電柱などにある変圧器(トランス)を使って、低圧(100V/200V)に変換してから住宅などに引き込んでいます。



    引き込む低圧配電線のうち1線は、変圧器がある電柱のところで地面に接続(接地)していて、そちら側を「接地側」と呼び、基準の0Vになります。その「接地側」の1線がコンセントの左側に接続されています。



    もう一方のコンセント右側は「非接地側(電圧側)」と呼び、100Vの電圧がかかっています。



    もし、自然災害や事故、変圧器の故障など何らかの原因で、低圧配電線(100V/200V)に高圧の電気(6600V)が流れると、住宅内の低圧配電線(それに繋がっているコンセントや家電製品)に異常に高い電圧が発生することになり大変な事故になります。



    低圧配電線に異常電圧が発生することを防ぐため(更には、100V電源に接続している家電製品やそれを使用する人を守るため)、高圧側と接触しても150V以下になるように、低圧側の1線は接地しておくことを法令等(電気事業法の電気設備に関する技術基準を定める省令)に定めてあります。この接地を「系統接地」と呼びます。





    ーーコンセント左側が地面に接続しているのであれば、家電に付いているアース線(黄色と緑の線)は必要ないのでは?



    アース線または接地線は、家電製品の外部に露出した人が触れる金属部分と地面とを接続することで、万が一、家電製品が故障や劣化などによって、製品内部を流れている電気が上記の金属部分に漏れ出してしまっても(漏電)、その電気を地面に逃がす役割を果たします。



    通常、漏電が発生すると、漏電ブレーカがそれを検知し、電源をオフするので安全です。しかし、アース線を接続していない状態は、もし漏電が発生しても漏電ブレーカは働かず、上記の金属部分に人が触れると感電したり、漏電による火災を引き起こしたりすることになります。家電製品を接地することを「機器接地」と呼びます。



    このように「系統接地」と「機器接地」は、別の目的のためにあります



    プラグは左右の向きを気にするは必要ない



    ーー電源プラグをさすのに、正しい向きはあるの?



    電源プラグの金属の板を「栓刃」と呼びます。一般的な家電製品を見ると、電源プラグの栓刃の幅は左右で同じです。これは、左右どちらの向きにプラグを差し込んでも、問題ないように家電製品側で工夫されているからです。



    左右の極性を合わせる必要がある製品の場合は、左右の栓刃の幅が異なる極性付のプラグなっており、誰が差しても逆に差し込めないようにしてあります。ですので、一般には電源プラグの極性を気にする必要はありません





    ーーコンセントを安全に使用していくために注意すべきことは?



    次のような現象があったら大変危険ですので、速やかにお近くの電気工事店にご相談のうえ、点検・交換をお願いします。



    (1)コンセント表面が焦げている。

    コンセントの内部で異常発熱した可能性があり、大変危険です。



    (2)コンセントの表面にひび割れや欠けがある。

    充電部が露出し、感電の恐れがあるため、大変危険です。



    (3)電源プラグの抜き差しがゆるい。

    コンセントにダメージがあるため、発熱、発火する可能性があり、大変危険です。



    (4)コンセントから焦げた臭いがする。

    このまま使用すると、発熱、発火する可能性があり、大変危険です。





    なお、コンセントの交換の目安は約10年とのこと。コンセントは、家電やスマートフォンなどの機器の充電など、日々の生活でも使うことが多い。使う際に異常がないかなど、少しだけ意識してみると事故が起こる確率を減らすことにつながることだろう。


    よく見ると左右で“穴”の大きさが違った?身近なコンセントの仕組みに疑問…理由を日本配線システム工業会に聞いた
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