消費電力の削減に欠かせない LED(Light Emitting Diode)は、日本語では「発光ダイオード」を意味します。第1世代のろうそく、第2世代の白熱電球、第3世代の蛍光灯に続いて、LEDは第4世代のあかりといわれています。電気を流すと発光する半導体の一種で、1962年に発明されました。当時は赤色に発光するLEDのみでしたが、1960年代に黄緑色のLEDが開発され、表示用の光源として実用化されました。1980年代後半から1990年代に青色LEDが開発されるに至り、照明用光源として注目されるようになったのです。2014年度のノーベル物理学賞を受賞した青色LEDの実用化には、多くの日本人が貢献したことも知っておきたいですね。
2013年10月に熊本市・水俣市で開催された国際会議で「水銀に関する水俣条約」が採択、2016年2月に締結されました。この条約は、水銀及び水銀化合物の排出を削減して、健康と環境を保護することを目的としています。この条約が「照明の2020年問題」に影響がある理由として、蛍光灯などに水銀が使われていることが挙げられます。
日本では環境問題への配慮と省エネを推進する立場から、LEDなどの次世代照明の導入を推進しています。それを受けて、大手照明メーカーは蛍光灯器具や水銀ランプの生産終了を発表しており、2020年を目処に照明の環境が変わることが予想されるのです。市場に出回る照明はLEDが基本となって、蛍光灯は手に入りにくくなり、やがて交換もできなくなるといわれています。あかりの世界にも、新しい生活様式への切り替えが求められているのですね。
「あかりの日」委員会では、LEDをはじめとしたより良い照明のあり方について情報を発信しています。自宅の照明についてあらためて考え、見直す良い機会にしたいですね。
参考サイト
一般社団法人 照明学会大塚商会