地球の公転周期は365日で、地球の外側にある火星の公転周期は687日です。火星よりも公転のスピードが速い地球は、約780日(約2年2か月)ごとに火星に追い付くことに。この時、火星と地球の距離が近くなります。
太陽から見て地球と火星が同じ方向になる瞬間を「会合」と呼び、会合が起こる周期を「会合周期」と呼びます。会合の頃に地球と火星の距離が近くなり、距離が最も近くなることを「最接近」といいます。
火星の最接近は、いつも同じ日に同じ距離で起こるわけではありません。地球の軌道は円に近い形で、火星の軌道は楕円形。そのため、地球と火星の軌道の間の距離は一定ではないのです。また、地球と火星の会合周期は2年ではなく約2年2か月のため、火星と地球が接近する位置も毎回ずれていきます。
今回は、2018年の「大接近」と2027年の「小接近」の中間にあたる「中接近」になりますが、12月1日の最接近の頃にはマイナス1.8等となり、存在感を増します。おうし座のアルデバラン、オリオン座のベテルギウスなどの赤い星よりも、強く輝きを放つでしょう。
2大天文現象はまだ先になりますが、今年も一期一会の星空が私たちを楽しませてくれそうですね。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「月食とは」国立天文台「火星の接近」アストロアーツ「水星と土星が接近」