天の川の流れを南にたどると、地平線近くに天の川のいちばん明るい部分があります。そこに見えるのは、アルファベットのS字を描くさそり座。南の低空で赤く輝く「アンタレス」は、さそりの心臓の位置にあり、左下の方に曲がりながら並ぶ2等星や3等星の星々が胴体と尻尾にあたります。
アンタレスの名称は、「火星に対抗するもの」を意味する「アンチ・アーレス」に由来するといわれています。黄道上に位置するさそり座の近くを火星が通過することがあり、赤い火星と同じく赤いアンタレスが競うように並ぶことから名付けられました。次回の競演は、2023年12月です。
天の川を背景に輝く4つの1等星と星座は、夏の夜空最大の見どころ。星に魅せられた人々が紡いだ物語に思いを馳せながら、楽しんでみてはいかがでしょうか。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
アストロアーツ「星空ガイド」 88星座図鑑