一歩足を踏み入れると真夏でもヒンヤリとした冷気を感じる不思議な場所が明治神宮。創建は1920(大正9)年、明治天皇と昭憲皇太后が御祭神です。都心の真ん中に広がる豊かな自然がさまざまな植物や生物のオアシスとなっているようです。夏の涼感を求めての散歩には絶好の場所といえそうです。
明治神宮へはJR山手線原宿駅から入る南参道がもっとも一般的でしょう。今回のお散歩コースは南参道の左側、本殿の南側に広がる「明治神宮御苑」です。入口は参道の奥に立つ大鳥居を入った先にある御苑北門。入苑には維持協力金として500円が必要です。門を入ったら道なりにめぐってみましょう。西側の奥には加藤清正が掘ったと伝えられる清正井(きよまさのいど)があり、ここから湧き出る水が水源となり南池(なんち)へ注ぎます。池に沿って作られた道を進んでいきましょう。手入れされた庭は足の運びも心地よく歩みも進みます。
≪うつせみの代々木の里はしづかにて 都のほかのここちこそすれ》明治天皇御製
都心とは思えないこの御苑は明治天皇が皇后の健康のために指示して作らせたお散歩の場所が始まりとのこと。水の流れに掛かかる八つ橋や菖蒲田などは陛下から皇后へのお心遣いだとか。お休みどころとして建てられた隔雲亭(かくうんてい)は、現在お茶室として使われています。
高くそびえるような木々の緑に包まれながらゆっくりと歩いていきましょう。曲がったりちょっとした起伏もあって変化にも富んでおり、限られた場所ですが見どころはいっぱいです。一休みしたくなったら、「フォレストテラス明治神宮」にカフェやレストランがあります。木々をたっぷりと使ったしつらえは木地が生かされ、神宮の杜らしい寛ぎが味わえそうです。
開苑時間は3月~10月は9時~16時30分。
参考:
【明治神宮】