ブームの兆し! 個性的で ヘルシーなジビエの魅力
グルメ
グルメにファンが多いジビエ料理!
木枯らしが吹く季節になると、毎年待ち遠しい方も多いのではないでしょうか。
そうです、ジビエの季節が到来しました!
このジビエ、高級フランス料理だけではなく、近年ではさまざまなジャンルの料理に使われているのをご存じですか? そこで、注目を浴びつつある静かなジビエブームに迫ります!
そもそも、ジビエって何?
ジビエ(gibier)とはフランス語で、狩猟でしとめた野生の鳥獣類の食肉を指します。代表的なジビエとしては、マガモ、ウズラ、キジ、シカ、イノシシ、野ウサギなどがあります。
その昔、ヨーロッパの王侯貴族などの間では、嗜みとして狩猟が盛んでした。領地内で捕獲した獲物をディナーの席に提供することは、狩猟の腕を自慢することでもあり、ジビエは晩餐の主役として食卓を彩ってきたのです。
当時のジビエは、貴重さゆえあまり口にすることができない高級食材であり、野生の風味が強く調理方法が難しいものでした。そこでシェフたちは特別な料理として代々受け継いだレシピで腕をふるい、冬を代表する味覚に仕上げたのです。ベルギーのイノシシ料理やノルウェーのトナカイ料理もその一例です。
ジビエはいつ、どう食べるの?
日本では、例年11月15日~2月15日までの間に狩猟が解禁となり、ジビエの季節が始まります。フランスに比べるとまだ馴染みが少ないですが、ワインの流通と共にジビエも注目され、近年その人気が高まっています。
フランス料理では、独特の臭みを取りうま味を増すために、赤ワインに漬けこんでから料理をします。ハーブでマリネにしたり、コトコト長時間煮込んだり、パイ包み焼きにすることで、自然の恵みを楽しむのです。
野山を自由に駆け巡った野生動物たちは脂肪が少なく、大変ヘルシーです。ひきしまった筋肉を持つため、肉質は歯ごたえがあります。力強く個性的な香りはジビエの醍醐味でもありますが、においが気になるという方はぜひ赤ワインとのマリアージュをお試しください。相性は抜群ですから、ジビエの奥の深さに驚くことでしょう。
日本での新しい試みって?
近年、日本では野生の鳥獣が増え過ぎている状況をご存じでしょうか。農作物を食べてしまう、田畑を荒らすなど、目に余る光景はたびたびニュースで取り上げられ、その被害額は年間で200億円ともいわれるほど。さらにシカは、希少な高山植物を食べつくし樹木の皮を剥ぎ取るなど、山や森へ与える影響は甚大なものになりつつあります。
そこで、なんとか被害を食い止めようと、ジビエを普段の料理に取り入れる動きが起こってきました。例えば、JR東日本では駅の店舗でジビエ入りカレーやミートソースを提供したり、ジビエの肉を使ったバーガーの開発や、焼き鳥の一種としてジビエを出すお店も増えており、いずれも静かなブームの兆しをみせています。
増え過ぎた野生動物の価値を資源として見出すと同時に、自然環境や農林業を守ることにもなるわけですね。
ジビエとしてよい肉を手に入れるためには、狩猟方法を守ることも大切。それは、急所に致命傷を負わせて一気に仕留めなければ、内臓の損傷が肉へ影響を及ぼし食材にできなくなってしまうことがあるから。せっかくの生命を無駄にしないためにも、肉、内臓、骨、血液などの全ての部位を残さず料理に活用することで、豊かな自然の恵みや大切なその生命に感謝の気持ちを表すことにもなるのですね。
さあ、みなさんも、この冬は心からの「ごちそうさま」を込めて、ジビエに挑戦してみませんか?