誰もが親しめる柑橘系の香りの中に身を沈めると、リラックスして疲れた心と身体がゆっくりとほぐれていくようです。
古くから蜜柑湯の風呂に入ると「身体がよく温まり、風邪を引かない」といわれていますが、その秘密は果皮にあります。果皮には、柑橘類特有の爽やかな香気を放つリモネンという精油成分が含まれています。リモネンは血行促進作用があるので、蜜柑湯に入るといつまでも身体は温かく、湯冷めしません。身体があたたまるため、寝つきもよくなります。 また果皮は、クエン酸やビタミンCも含み、美肌効果があります。甘く爽やかな香りを楽しみながら美しくなれる一石二鳥なお風呂です。
<作り方>蜜柑風呂
蜜柑は実もさることながら、果皮にもビタミンCやクエン酸が豊富に含まれているので、おいしく蜜柑を食べたあとは、果皮を利用して蜜柑湯を楽しみましょう。果皮をそのまま浮かべるとお湯が汚れるのでガーゼや茶こしパックなどを活用して使用します。
1. 旬の蜜柑を食べたあと、果皮を陰干ししておきます。
2. 蜜柑20個分の皮を、ガーゼか木綿の袋に入れ、風呂に浸して入浴します。
乾燥したミカンの皮は「陳皮(チンピ)」という名称で、漢方薬店などでも入手できます。
そして、最後に、「柚子」はリモネンやα-ピネンなどを成分として含有し、抗菌、消炎、血行促進作用があります。ちょうど冬至の季節に悩まされる冷え、ひび、あかぎれ、風邪などに効果があるとされています。柚子湯の風呂とさら湯それぞれで、10分間入浴した後の皮膚表面温度の変化を測定したものです。柚子湯は1時間近く皮膚表面の温度が高い状態が続きました。さら湯よりも保温効果が高いことがわかります。柚子は多くの精油成分を含んでいます。精油成分とは、植物に含まれる芳香成分で、おもに皮膚を刺激して保温効果に影響があります。
柚子の実2~3個をそのまま浴槽に浮かべるだけで簡単に柚子湯を楽しめます。香りが少ないようなら実の数を多くしてください。皮や実を切ったり、果汁を絞り入れると肌がぴりぴりする場合もあるので、注意してくださいね。
柚子や蜜柑は、爽やかな香りがあるとともに、冬の乾燥した肌をしっとりさせる効果があります。柚子の皮に含まれるリモネンなどの精油成分が湯に溶け出し、皮膚の角質を膜で覆いお肌の水分を逃さないようです。
リラックス・冷え・美容に効果的なお風呂で本格的な冬を乗り切りましょう!
参照
東京ガス ウチコト「季節のお風呂」シリーズ東京ガス プレスリリース