フランス語で「愛の林檎」イタリア語で「黄金の林檎」、日本では「唐柿」とよばれた夏の定番野菜は?
答えは夏野菜の代表格トマトです。
トマトは、スイカやメロン、イチゴと同様、野菜か果物かでしばしば議論されてきました。国によって、野菜だったり果物だったりするようです。面白いですね。
アメリカでは、1887年当時、野菜に対して10%の関税が課せられたのに対して果物は除外されていました。このため、輸入業者はトマトは学術的には果実なので関税の対象外と主張したのに対し、1893年米国最高裁判所でトマトは野菜で、関税の課税対象であるという判決がくだされ、トマトはいまや野菜として流通しています。
日本では、農林水産省によると、苗を植えて1年で収穫する草本植物は「野菜」として取り扱っています。一方で、目安として2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」としています。キュウリ、ナス、トマト等は、1年以内で収穫するものですが果実を頂くということで、農林水産省では「果菜類」に分類し、果実を食用とする野菜と定義しています。
トマトは、グルタミン酸、アスパラギン酸などのうまみ成分が多いため、生食だけでなく加熱料理にもかかせないものとなっています。
日本で昆布だしやかつおだしが、様々な料理に使われてきたように、南欧州の地中海沿岸地方では、18世紀頃からトマトが料理のベースとして親しまれてきました。その代表格がトマトソースです。
イタリアでは、トマトの値段が下がる時期に、各家庭で一年分のトマトソースをつくるのが、家族総出の季節仕事となっているそうです。
西洋には「トマトの時期には下手な料理はない」ということわざがあります。フレッシュトマトを使ったパスタなども今の季節ならではの楽しみですね。缶詰のトマトよりも、もう一段上の味わいです。お試しあれ。
参照:
カゴメ株式会社/トマト大学 栄養学部