気象津波とも呼ばれる「高潮」 満潮時刻の再確認を
2019年10月12日05:23
危険を増大させる「重なり」
1、雨雲のエリアも暴風のエリアも広いことから、大荒れの状況が長い時間続く恐れがありますが、その中でも最も荒れる時間帯が関東の場合は夜間に「重なる」見通しです。つまり、普段、歩き慣れている歩道や走り慣れている車道が冠水していても、また、身近な川が想像以上に増水していても、そういった周囲の状況変化を把握しづらい時間帯ということです。避難をするならば、日の入り前の少しでも明るいうちにしましょう。
2、満月が14日(月)で、いまは大潮の時期にあたります。月の引力で海の水位が高い状態(海面自体が盛り上がっている状態)にある上、満潮時刻と台風の接近時間帯が「重なる」見通しです。高潮は気象津波と呼ばれることもあります。台風の接近で気圧が低下することによる海水の吸い上げ、強い風による海水の吹き寄せ、大潮の時期の満潮時が「重なる」ことで、沖合から海面が盛り上がり、海岸や沿岸の方へ押し寄せ、陸地に海水が侵入する恐れがあります。
3、雨が降り続くことによる浸水や冠水だけでなく、海岸に近い地域では高潮や高波の影響も「重なり」ます。海岸付近の低地、湾奥部や河口部、遠浅な海底地形、V字谷のような地形は、高潮の危険性が特に高い場所です。車体が見えなくなるほどの道路の冠水や住宅での床上浸水など、大規模な浸水被害の恐れがあります。高潮が迫っている状況下では避難場所への移動も困難な場合があります。無理せず、なるべく高い場所への垂直移動をして身の安全を確保してください。なお、東海地方では過去最高潮位を超える記録的な高潮となる恐れがあります。