今シーズン最強の台風11号と厳暑の関係 残暑まだ続く 熱帯擾乱発生しやすい状況も
2024年09月07日16:45
台風11号 フィリピンで発生し西進 発達ピーク時は猛烈な勢力
台風11号は、発達のピークを過ぎた後も、非常に強い勢力で海南島からトンキン湾を西進し、今日7日午後3時、ベトナムを進んでいます。中心の気圧は935hPa、中心付近の最大風速は45m/sです。
ベトナムの島であるバクロンビ島では、今日7日午前9時(日本時間)、35m/sの西風が吹き、12時間降水量は88.0ミリを観測しました。
台風11号は、今後もベトナム本土を西進し、8日までに熱帯低気圧に変わる見込みです。
台風11号と日本の厳暑の関係 PJパターンとは?
フィリピン近海は、台風11号が進んだこともあり、対流が強まりました。それだけでなく、南シナ海からフィリピンの東、さらにマリアナ諸島近海にかけて、対流活動が活発な周期にあたっています。この海域では、9月の半ばを過ぎる頃にかけても、積乱雲の発生が多いでしょう。この先も、PJパターンが続き、日本付近で太平洋高気圧の勢力が強い見込みです。残暑がまだ続く原因の一つです。
さらに、対流活動が活発な領域の上空では、その周辺にエネルギーが伝わっています。この影響もあり、チベット高気圧は日本付近への張り出しを強めています。この状況は9月の終わりにかけても続くでしょう。日本付近は背の高い高気圧に覆われやすいことになります。
この先、季節の進みは遅く、九州から東北を中心に、最高気温は30℃以上の真夏日どころか、35℃くらいまで上がる日がまだある予想です。朝晩は秋の気配を感じられる日もありますが、10月に入る頃になっても日中はまだ残暑が厳しいでしょう。
台風シーズン 熱帯擾乱が発生しやすい状況続く
大気の流れは、8月前半に台風が次々に発生した時の状況とよく似ており、10月に入る頃にかけて、大きく変わらないでしょう。台風シーズンが続きます。
たとえ台風が発生しなくても、南の海上の熱帯擾乱により、日本付近に暖かく湿った空気が流れ込むことがあるでしょう。局地的な大雨になることも考えられます。
日頃から、ハザードマップで避難経路の確認など、台風や大雨への備えをしておくとよいでしょう。