地震のメカニズムや、地震情報のみかたについて解説します。
■海溝型(プレート境界型)地震
日本列島周辺には、地球表層のプレートと呼ばれる地盤の境界が複数存在しています。このプレートは年間に数cm~数十cmの速度で動き、隣接するプレートの下に沈み込んでいきます。沈み込める限界がくると元に戻ろうとする力が働き、そのエネルギーで地震が発生します。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)はこのメカニズム(太平洋プレートと北米プレートの境界)で引き起こされた地震です。
■内陸型(直下型)地震
私たちが住んでいる日本列島の地下にはいくつもの割れ目があり、その割れ目がずれているところを断層と呼んでいます。この断層にプレートの移動など何らかの大きな力が加わることで、再びずれが生じ、その衝撃が震動して地面を伝わるものが地震となります。このような断層を活断層と呼び、一度動いた断層は動きやすくなり、繰り返し地震を発生させる可能性があります。
■震度
特定の場所でどのくらい揺れたかを表すものが「震度」です。震度計で計測され、震度が同じであれば震源からの距離や地盤に関わらず同程度の揺れであったことを示しています。気象庁の発表する震度では、0から7の10階級で計測されます。(震度5と6には強・弱があるためです。)
■マグニチュード
地震自体の規模を表すのが「マグニチュード」です。そのため、震度が小さくてもマグニチュードが大きいこともあり、逆にマグニチュードが小さくても震源が地表面に近い場合は、震度が大きくなることもあります。
①緊急地震速報
地震の発生直後に、各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる情報です。強い揺れの前に、自らの身を守ったり、列車のスピードを落としたり、あるいは工場等で機械制御を行うなどの活用がなされています。
②震度速報
大きな地震が発生すると、気象庁から震度速報が発表されます。この情報は、大きな地震が発生したことをすぐに知らせる速報であるため、震度3以上を対象に地域ごとに発表されます。
③震源・震度に関する情報、各地の震度に関する情報
各地の地震計から観測情報が集まり、気象庁で震源や地震の規模などが推定されると、市区町村ごとの震度情報が発表されます。ただし、この情報は発表後も随時更新されます。津波に関する情報はこれらの情報の順番に関係なく発表されることもあるため、震度の発表を待たずに避難を開始してください。
東京消防庁によると、熊本地震でけがをした原因のうち、家具類の転倒等によるものは、一般住宅では29.2%、高層マンションでは40.0%でした。⻑周期地震動(大地震発生時に生じる周期の⻑い揺れ)により、高層ビルは、震源から離れた場所でも大きく⻑く揺れる傾向があります。高層階では低層階よりも大きく揺れ、地震がおさまった後も揺れ続ける可能性があります。
高層階では、家具が飛んでくることがあるので、固定をするとともに地震発生時は、「移動してこない空間で身を守ること」が大切です。