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    「内水ハザードマップ」 整備進まず 福岡県内60のうち48市町村で未公開 梅雨の大雨に備えを

    2024年05月23日19:15

    福岡でも、まもなく梅雨のシーズンがやってきます。

    大雨による浸水災害から命を守るため重要な情報となるのが、ハザードマップですが、実は、整備が進んでいない現状があります。

    そのワケを取材しました。

    23日、福岡市・天神で行われた訓練。

    梅雨の時期を前に都市部での浸水被害を想定して地下街に雨水が流れ込まないよう、階段の出入り口に「止水板」を実際に設置し、作業を速やかに進める手順などを確認しました。

    ◆天神地下街防水センター 神代茂男所長
    「梅雨が始まってしまって訓練しても、どうしても慌ててしまう。その前に事前にしっかり備えをやっていくことが大事」

    間もなくやってくる梅雨のシーズン。

    今年の梅雨の特徴について気象予報士はー

    ◆古山気象予報士
    「今年の梅雨入りは平年より遅く、6月中旬と予想されていて降水量も多くなるおそれがある」

    今年の九州北部地方の梅雨入りは、平年より10日ほど遅い6月中旬になるとみられています。

    今年は「短期集中型」、短い期間にたくさん雨が降るおそれがある中で懸念されるのが大規模な浸水被害です。

    1999年の6月には豪雨の影響で、福岡市内を流れる御笠川が氾濫し、天神の地下街や博多駅周辺が浸水。

    福岡市の都市機能が完全にマヒするなど大きな被害が出ました。

    川の氾濫による被害に加えて、近年リスクが指摘されているのがー

    ◆川崎キャスター
    「実は、この博多駅の周りの場所でも複数のエリアが浸水のリスクを指摘されています。そしてその原因が『内水氾濫』という現象です」

    「内水氾濫」とは、市街地などに短時間で局地的な雨が降ることで下水道や排水路から水があふれ出し、道路などが浸水する現象です。

    マンホールから水が激しく噴き出す危険な状態にもなり得ます。

    国交省によりますと、2018年までの10年間に全国で起きた水害被害のうち「内水氾濫」によって浸水した建物は6割を超えていて、洪水氾濫などよりも大きな割合を占めています。

    こうした「内水氾濫」への備えを促そうと作成されているのが「内水ハザードマップ」です。

    博多駅周辺の内水ハザードマップで浸水するおそれのあるエリアが、黄色や赤色などで示されています。

    ◆川崎キャスター
    「博多駅周辺の内水ハザードマップでは、私がいる駅前の通りも含めて、多くの場所が50センチ未満の浸水がリスクが想定されています。そして特にあの奥の場所は50センチから1メートル程度の浸水が想定されているそうです」

    現在、福岡市が公開しているのは、3年前に作成された博多駅周辺の内水ハザードマップのみですが、天神地区についても今年の梅雨入り前に公開したいとしています。

    浸水被害から命を守るための重要な情報となる「内水ハザードマップ」。

    TNCが福岡県内の60市町村に聞いたところ、一部作成中のところもあるものの、現時点で約8割にあたる48の自治体でまだ公開されておらず、整備が進んでいないのが現状です。

    2018年以降、6回の豪雨災害に見舞われている福岡県久留米市でも、3年前から「内水ハザードマップ」の作成に取り掛かっていますが、まだ公開には至っていません。

    なぜ、「内水ハザードマップ」の整備が進まないのか?

    その背景について専門家はー。

    ◆山口大学 山本晴彦特命教授
    「内水氾濫は、外水氾濫に比べて非常に細かな、どこで道路が浸かりやすいかとか、どこが浸水しやすいか、非常にメッシュ的に細かく可視化していく。そういう意味で進みにくい状況にある」

    「内水ハザードマップ」 整備進まず 福岡県内60のうち48市町村で未公開 梅雨の大雨に備えを
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