日本中から神々が出雲に参集して来年の縁結びが相談される、だから出雲の国では「神在月」それ以外では「神無月」という言い伝えの起源は『古事記』や『日本書紀』神話の世界に遡ります。
天上の神である天照大神(あまてらすおおみかみ)は、大国主神(おおくにぬしのかみ)が治めていた豊葦原の瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)、今の出雲地方を孫の瓊々杵命(ににぎのみこと)に治めさせたいから譲って欲しいと使者を送ります。大国主神の力自慢の息子はそんな理不尽は認められないと、天照大神の使者と力比べをしますが負けてしまうのです。とうとう出雲の国は瓊々杵命が治めることになりました。そこで大国主神は国を譲ったのちは、天上の神の住む宮殿のように作られた出雲大社に移り住み、神事(かみごと)を司る神として鎮まったのです。
出雲大社では毎年、大国主神とともに神議(かみはかり)を行う八百万の神さまをお迎えする神事が行われています。それが旧暦10月の「神在月」です。新暦の現在では10月ではなく11月が「神在月」になっています。神々の集う神事とはどのようなものでしょうか、その大まかな内容を見てみましょう。
◆まずは神々をお迎え
神迎神事と神迎祭は毎年旧暦10月10日、今年は11月14日(日)に行われます。
◆ここがメインイベントの神議(かみはかり)。神々の相談は7日間にわたります
神在祭は毎年旧暦10月11と15日と17日、今年は11月15日(月)と19日(金)と21日(日)に行われます。
◆皆が気になる幸せの縁結びもこの時
縁結大祭は毎年旧暦10月15日と17日、今年は11月19日(金)と21日(日)に行われます。
◆神々が神議を終えて出雲をお発ちになります
神等去出祭(からさでさい)は毎年旧暦10月17日と26日、今年は11月21日(日)に行われます。
およそ1週間の神事は、私たちの身近にあるお祭りとは違いとても厳かに行われているようです。本当の「神在月」は11月ですが、せっかくですから少し先取りして神さまへのお願いを今月考えておくことにしませんか。来たる年を良き年にするために。
参考:
[出雲大社 神在祭]