「氷瀑」や「氷華」といった美しい氷ができるには、寒さだけではない天候や自然環境などの条件が必要なことがわかりました。
「アイスバブル」は豊かな水をたたえた湖が厳しい寒さの到来とともに、呼吸をするように作り出す氷の美といえましょう。北海道は道東の湖沼でよく見られる冬のお楽しみのようです。
バブルを作るのは空気ばかりではありません。水中に生息するバクテリアなどが発生させるメタンガス、また火山地帯にある湖沼でしたら火山性のガスなどが考えられます。ふだんなら湖面にでて気泡となって消えてしまうこれらのガスが、冬になり湖面に氷が張るようになると逃げ場を失っていきます。湖面全体が凍ったとき気泡は氷の中に閉じ込められ、白く丸い「アイスバブル」となり透明な湖の氷の中に浮かびます。
厳しい寒さゆえにできる「アイスバブル」ですが、湖面に雪が積もってしまってはその美しさを楽しむことはできません。ここにも美を作り出す冬の自然の条件があるのです。
「アイスバブル」のお楽しみは湖面に現れる美しさだけではありません。バブル発生のときピュンピュンと音が鳴るというのです。まさに「氷の声」ですね。冬の寒さが厳しければ厳しいほど氷が作り出す造形はバラエティに富んでいくようです。そこには寒さだけではない地形や天候といった、予測できない何かの力もまた必要なのですね。
参考:
【北海道ファンマガジン】