これだけ知っていればだいじょうぶ! はじめての美術館を満喫する方法
レジャー
美術館。静かで暗めの展示室、高価な美術品、いっぱい立ってる黒い服のマジメそうな監視の人。せっかくこの世に生きてることだし、世界のお宝たちをもっと身近に楽しみたい!でもちょっと敷居が高くて行きづらい・・・そんな不安を、アート鑑賞の達人に解決してもらいました。
そもそも美術館のマナーやルールがまったくわからない
「美術館は、人類のお宝(美術作品)を大切に保管して子孫に受け継ぎつつ、いま生きてる人みんなで分かち合うための場所です」これさえわかっておけば、どの国の美術館でもだいじょうぶ! 具体的には、
1. 展示作品に敬意を払って、勝手にさわったり撮影したりしない。
2. 鑑賞中の他のお客さんを尊重して、邪魔をしない。
このふたつでほぼ完璧です。
こまかい禁止事項などは美術館によってちがうので、館内の表示を見たりスタッフの人に「おそれいりますが○○してください」とお願いされた時点で快く協力すれば、なんの心配もいりません。
入館から退館までざっくりとシミュレーション!
入場券を買う(有料の場合のみ。コンビニやチケットショップなどであらかじめ買っておけるものもあります) → 雨の日は、長いカサを傘立てにあずける(大きな荷物など、持ち込めないものがいくつかあります) → 入り口で入場券をもぎってもらい半券を受け取る →ロッカーに荷物をあずける(もぎる前にあずける館もあります。なるべく身軽に鑑賞しましょう。ほとんどの展示室内は飲食禁止です。室温が一定に保たれているので、夏ははおるものをもって。冬はコートをあずけたほうがよいです)→ 作品鑑賞する(展示室入り口にある作品リストをもらっておきましょう。音声ガイドを借りてもよいです) → 図録やグッズをチェックする → 次回展とか他館のチラシをチェックする(これから楽しい展示があるかも) → ロッカーの荷物を取出す(返却コインと忘れ物に注意して)
展示室内にトイレのない美術館もあるので、確認してから入室しましょうね。でもどうしても行きたくなったら、スタッフの人に申し出れば、再入館など対応してくれますよ。
美術の知識ゼロなので、作品の何を見たらいいかヒントください
「正解」がわからないとダメなのではと考えたり、世間一般の評価(値段とかですね)で作品を認めようとすると、好き嫌いさえよくわからなくなっちゃいますよね。自分の感覚を信じて、そのまま受け止めましょう! 有名な絵がちっとも好きになれなくたって、 すごいカン違いしたまま作品を理解していたって、誰にも迷惑はかけませんから。
五感のイメージを駆使して、作品と対話してみましょう。目から入ってくる色の波動とか、聞こえてくる音や匂い、質感、味わい・・・集中していると、だんだん感覚が磨かれて、鋭くなってくるのが感じられるはず。
絵画なら、自分が好きな色がどこに塗られてるかさがしたり、気になるアイテム(たとえば木のイスとかアクセサリーとか)を絵ごとにさがして丹念に見たりすると、意外な発見が!
さらに「もしこの壁面の中から『どうしても1枚あげる』って言われたら、どれをもらうか」をゲーム的に考えると、とても楽しいし見る目が肥えます。
人物が描かれているときは、「この人と入れ替わったとしたら自分はどう感じるか」を想像してみましょう。快適そうな絵に入るのも、あえて過酷な事態を体験するのもお好みしだい! 時代背景を考えるきっかけにもなりますね。
人はなぜ美術館に足をはこぶのでしょう?
それは、なにか出会いがあるかもしれないから。こんど行く展覧会で、ひょっとしたら「一生つきあいたい1枚」と出会えるかもしれません。
その1枚は、ひとりの人間の一生よりはるかに長〜い年月を、大切に保管され人から人へ受け継がれ、たぶん世界のどこかで公開されつづけます。この世で生きている間は、何度も会いに行ける可能性があるのです。
展示されている場所や季節、自分が年齢をかさねていく中で、感じかたやその絵との関係が変化していくのも、美術作品ならではの醍醐味ですよね。
大好きな絵に会うために旅行を計画するなんて、すごく素敵じゃありませんか?