桜の花もが終わると、山は新緑の季節を迎えていきますが、ゴールデンウイークの行楽シーズンの頃に、今度は藤の最盛期を迎えます。
マメ科の植物なのでつる性で、花は蝶の形。これらが連なり房となって咲きます。つるが左巻きで花穂が短いのが「ヤマフジ」、つるが右巻きで花穂が長いのが「ノダフジ」です。特に、日本を代表する原種・野田藤(ノダフジ)は、色ごとに、うすべに藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤と色も形も多様で楽しめます。
藤と言えば日本古来の花木と言われ、令和の年号の由来で話題となった「万葉集」にも数多く歌われてきました。この時代に栄えた藤原家のシンボルとして、藤は平城京のおかれた奈良近辺には特にたくさん植えられました。花房が2メートル以上にも及ぶ春日大社の鈴なりの藤は一見の価値があります。本日は、今見頃の藤について、よもやま話をみていきましょう。