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    【大量死の原因は?】北海道南部で相次ぐイワシの襲来『養殖トラウトサーモン全滅』パニックになった大群が押し寄せ”ゼーハーゼーハー”状態になり酸欠か―専門家警告「今後も同様の現象が起きる可能性」

     北海道南部の漁港で12月、養殖トラウトサーモンが全滅する被害が相次いでいます。イワシの大群が漁港に入り込み、海水の酸素の濃度が低下したことが原因とみられています。専門家は「今後も近くの漁港で同様の現象が起きる可能性がある」と警戒を呼びかけています。


    ■トラウトサーモン大量死 ”犯人”はイワシ

     14日朝、せたな町の久遠漁港で、エサやりに来た漁業者がトラウトサーモン6600匹が死んでいるのを見つけました。

     久遠漁港での養殖は今季5年目で、11月21日と22日に1匹平均570gの幼魚を放し1kg前後に育っていました。ひやま漁協大成支所によりますと、来年5月ごろに水揚げし、2500万円ほどの売り上げを見込んでいました。

     さらに、17日朝には上ノ国町の上ノ国漁港大崎地区でも、トラウトサーモン約5000匹が死んでいるのが見つかりました。

     ひやま漁協上ノ国支所によりますと、この養殖事業は2025年から始めたもので、いけすを漁港内に仮置きし、11月20日に幼魚を放流したばかりでした。

     初期費用は2650万円で、町の補助金でまかない、2026年5月下旬~6月上旬ごろに水揚げ予定で、売り上げは1000万円ほどを見込んでいました。

     どちらも原因は、大量に押し寄せたイワシの呼吸によって海中の酸素濃度が低下し、養殖魚が”酸欠状態”となったとみられています。

    ■大量死…”真犯人”は「何か大きい生物」

     北海道南部では、過去にもイワシが海岸などに大量に押し寄せ、浜に死骸となって堆積するなどの光景が繰り返されています。

     2023年12月には函館市の港に大量のイワシが押し寄せ、翌月には骨などの残骸が海岸を埋め尽くしました。

     また2024年12月には松前町にも、港に大量のイワシが押し寄せました。

    ■なぜ大群が押し寄せるのか?

     なぜイワシの大群が漁港に入り込む事態が起きるのでしょうか。

     北海道大学大学院・水産科学研究院の中屋光裕准教授に聞いてみると…

     「何か大きい生物に追われて、パニック状態になって泳いできたイワシが漁港内に押し寄せてきた可能性が高い」

     「パニック状態で泳いだ魚はゆっくりと泳いできた場合よりも酸素を多く消費する」

     「人間でいうと、ゼーハー、ゼーハーと息をしている状態」

     中屋准教授は、イルカなどの大型生物に追われてパニック状態になった群れが一斉に港になだれ込むことで、酸欠状態を引き起こし、大量死につながった可能性が高いとみています。


     さらに、こうした事態は今後も続く可能性があると予想します。

     「海水の温度が下がり、魚が南下してきている。今後も近くの漁港で同様の現象が起きる可能性がある」

     北海道南部の漁港で相次ぐ“イワシの襲来”専門家は警戒を呼びかけています。

    【大量死の原因は?】北海道南部で相次ぐイワシの襲来『養殖トラウトサーモン全滅』パニックになった大群が押し寄せ”ゼーハーゼーハー”状態になり酸欠か―専門家警告「今後も同様の現象が起きる可能性」

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