
静岡県内にある海水浴場に大量の藻が打ち上げられ、困惑が広がっている。なぜこのようなことが起きているのか、現地を取材し専門家に聞いた。
“緑のじゅうたん”「こんなに上がるの初めて」
大量の藻によって“緑のじゅうたん”と化したのは、静岡・伊東市にある砂浜だ。
近隣住民は「これもう不思議な光景ですよね」「こんなに上がるのは初めて」と話す。
地元の人も困惑する、海開き直前に起きた異変。
なぜ、ここにだけ藻が集まったのか。
現場は伊豆半島の東側、相模湾に面した「伊東オレンジビーチ」。
波が穏やかなこともあり、夏の海水浴シーズンは家族連れを中心ににぎわう。
市は被害額「多分100万円は超えてくる」
伊東市によると、最初に異変が起きたのは11日のことだった。
伊東市観光課 観光施設係・土屋貴則主査:
ごらんの通りオレンジビーチ全体的に打ち上がってしまっていて、もうまもなく海水浴場のオープン日を迎えるにあたって、これは困ったなっていうことで、慌てている状況です。(推測では)多分100万円は超えてくると思いますね、処分費・運搬回収、全部合わせて。
市によると、確認されたのは「ジュズモ」と呼ばれる糸状の藻で、日本の沿岸に広く分布している海藻だ。
ビーチの近くで干物店を営む親子は、最初に発見した時の状況を次のように話す。
山国商店・山田一雄代表:
青い物体がいっぱいぶわーって上がったので、なんだろうと思いましたね。びっくりしました。(Q.これまでに同じ現象は?)いや、初めてですね。
山国商店・山田衣里さん:
やっぱり臭いますよね。お散歩しててもプーンって。いろんな死骸も上がってきちゃっているので、それが乾燥して干からびてきて…。
清掃翌日にも大量に…地元の人「この近くの海で見たことない」
市は民間の業者に依頼し、翌日ビーチを清掃したが、次の日には再び大量の藻が確認されたのだ。
16日に現場を取材すると、大量の藻が残っていて、一部は白く変色していた。
近隣住民は「海藻だから害はありそうには感じない。ただ、不安っていうより、珍しいという感じですね」「かなり新鮮な光景ですよね。ないから、こんなのは珍しいですよね」「きれいじゃんね、なんかにできればいいのにね」と話した。
さらに、市の許可を得て付近をドローンで撮影すると、海の中にも大量の藻があるのが確認できた。
地元の人たちは、この近くの海でジュズモは見たことがないと話している。
専門家「食べることはおすすめしない」
では、これほど大量のジュズモはなぜ、このビーチに出現したのか。
専門家は次のように推測する。
水産・海洋技術研究所 伊豆分場・山田博一 研究科長:
台風の接近による、うねりなどの影響で、ジュズモがまとまって打ち上げられたと思うが、詳細についてはなんともいえない状況です。
今週初めに本州の東側を通過した台風5号の影響を受けた可能性があると説明したが、台風発生前の11日に打ち上げられた理由については不明としている。
また、「食べることはおすすめしない」とのことだった。
伊東市は19日の海開きに向け、18日にビーチの清掃を行う予定だ
(「イット!」7月17日放送より)