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    沖縄がやっと梅雨入り「ヒマラヤ山脈が無かったら、日本に梅雨は無かった」 梅雨は「地球規模の気象現象」

    22日、沖縄地方の梅雨入りがやっと発表された。

    1976年以来49年ぶりの珍しさ

    今年は九州南部よりも沖縄の方が遅かった。このようなケースは過去に2回しかなく、今回で3回目。1976年以来、49年ぶりという珍しさ。週間天気予報でも沖縄は向こう1週間、曇りや雨の日が多いという予報だ。

    「ヒマラヤ山脈が無かったら、日本に梅雨は無かった」。今から40数年前に、たまたま見たテレビの科学番組で東京大学教授(当時)の竹内均先生が言っておられ、私は衝撃を受けたことを覚えている。

    なんでそんなに遠い所の山が日本の天気に影響するのだろうかと。当時の筆者は気象には全く興味が無く、将来はテレビドラマを制作したいと考えていた学生だった。

    竹内均先生の「人の心を揺さぶる表現」

    梅雨とヒマラヤの関係性を書いた文献はたくさんあるが、「ヒマラヤ山脈が無かったら、日本に梅雨は無かった」という竹内均先生の伝え方には今でも感服させられる。

    話としては単純で、天気に影響を及ぼす上空の偏西風がヒマラヤ山脈によって流れが北と南に分けられ、日本付近の気圧配置に影響して梅雨前線を停滞させるというもの。「だから関係が深いんだ」ではなく、「ヒマラヤが無かったら、梅雨は無かった」という人の心を揺さぶる表現に感動した。

    気象衛星を見ると、雲には国境はなく、大気はつながっていることがわかる。
    特に梅雨はヒマラヤ山脈による偏西風変化やインドベンガル湾での海水蒸発など日本から遠い地域の気象が遠隔で影響している。このため、梅雨は地球規模の気象現象とも言える。

    梅雨の予報が難しいのもこの点が関係している。私たちの頭の上で起きている天気が、とても遠い外国の空で起きていることが影響しているというのは、とても興味深い。

    執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)

    沖縄がやっと梅雨入り「ヒマラヤ山脈が無かったら、日本に梅雨は無かった」 梅雨は「地球規模の気象現象」

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