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    台風の中心気圧、実は誰も測っていない?気象衛星を使った「ドボラック法」の仕組みを気象予報士が解説 「雲の形」から読み解く秘密に迫る

    テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「台風の中心気圧の測定方法」についてクイズを交えてお伝えします。

    海上の台風の中心気圧、どうやって測る?

    台風22号、九州への直接的な影響はなさそうですが、「今回はこの“中心気圧”に注目です」と切り出した古山予報士。画面には、台風22号の情報が示されています。

    古山予報士:
    960ヘクトパスカルとなっていますが、どうやって測定していると思いますか?

    児玉アナ:
    そういう機械があるんじゃないですか?気圧計みたいな…

    そこで古山予報士から出されたのが、三択クイズです。

    Q. 海上の台風の中心気圧 観測方法は?

     A: 飛行機
     B:船
     C:誰も測っていない

    児玉アナは少し悩みながらも「B(船)ですかね…」と回答。しかし、古山さんから告げられた答えは、意外なものでした。

    古山予報士:
    Cなんですよ・・・

    児玉アナ:
    えっ、C!?じゃあ何でわかるんですか?

    スタジオも驚いたその答え。そう、正解は「C. 誰も測っていない」のです。では、一体どうやって台風の中心気圧や勢力がわかるのでしょうか。

    過去には飛行機での観測も。でも今は…

    古山予報士は、一つひとつの選択肢を丁寧に解説します。

    まず「A. 飛行機」。実は、1987年までは実際に米軍の飛行機が観測を行っていました。しかし、非常に費用がかかること、そして何より危険を伴う大きなリスクがあることなどから、現在は中止されています。

    次に「B. 船」。こちらも、台風に近づくことは遭難の危険性が非常に高いため、わざわざ中心気圧を測りに行くことはありません。ただし、台風の近くを航行する船から得られるデータは、補助的に活用されているそうです。

    飛行機も船も直接は測りに行かない。では、どうやって知るのか。

    その答えが「ドボラック法」という方法です。古山予報士によると、「ドボラック法」とは、気象衛星が撮影した台風の雲の巻き方や高さ、動きなどを専門家が観察し、それを数値化することで、台風の強さを推定する方法なのだそうです。

    つまり、直接測るのではなく、雲の見た目から強さを割り出しているというわけです。

    古山予報士は、実際の台風22号の衛星画像を見ながら説明します。

    古山予報士:
    こちらが台風22号なんですけれども、だんだんとこの台風の目がくっきりしてくるのが分かりますよね。これ、どんどん勢力が増しているということを表しているんです。

    このように、雲の渦の巻き方や中心にある「目」の大きさや形など、様々な特徴を分析することで、台風の勢力が推定されています。私たちが普段、目にする天気予報の台風情報は、こうした専門家の方々の緻密な分析によって支えられているのですね。

    台風のニュースを見るとき、これからは少し見方が変わるかもしれません。気象衛星の画像で「台風の目がはっきりしてきたな」と感じたら、それは勢力が強まっているサイン。気象の知識が一つ増えると、防災への意識もより一層高まりそうです。

    (テレビ宮崎)

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