札幌発、お酒の後の「シメパフェ」の人気がジワジワ
2018年10月10日
「パフェ(parfait)」はフランス語で「パーフェクト、完璧な」という意味
その意味のごとく、完璧なデザートといった意味をこめて、19世紀のフランスで考えられたスイーツです。当時のパフェは卵黄や生クリームを原料とした濃厚な氷菓に、果物やソースを添えて飾ったものでした。
日本ではパフェというと、フランスのようにお皿に盛りつけるものよりも、背の高いグラスに、アイスクリームやコーンフレークなどを順番に入れ、上のほうを果物や生クリームで飾るタイプが主流ですが、これはフランスの正統派パフェというよりも、アメリカのサンデーのほうに近いかもしれません。
ちなみにサンデーはかつてアメリカで日曜日限定で販売されていたデザートなのでその名がついたといわれていますが、日本ではパフェとサンデーは明確に区別されておらず、提供するお店におまかせとなっているようです。
乳製品がおいしい札幌。流行前から男性もスイーツを食べる文化
さらに札幌には、大通公園をはじめ、地下の歩行空間(チカホ)にも休憩スペースが多く、観光客だけでなく地元の人も利用しています。そこに座ってスマホをいじったり、ペットボトルの飲み物を飲むのは当たり前で、なかには買ったばかりのケーキをもりもり食べる人もいるそうです。これもまた札幌市民がスイーツ好きといわれる所以かもしれません。
お酒のシメにはラーメンやお茶漬けを食べたくなるものですが、スイーツ文化が発達している札幌では、シメのパフェが流行する前からお酒のシメに甘いものを食べていました。当時は「夜パフェ」「締めのパフェ」と呼ばれていたようです。
お酒でほてった体を、新鮮な乳製品を使ったパフェでクールダウン。そういう意味では理にかなっているのかもしれませんね。
2015年に「札幌シメパフェ」がブランド化
翌年の2015年、お酒のシメにパフェを食べることが「シメパフェ」と名づけられ、「札幌シメパフェ」というブランドが誕生しました。当時は7店でスタートしましたが、2018年4月現在の加盟店は26店に増えています。シメパフェは札幌のイベントのみならず、全国の北海道物産展にも出店されていて、その人気が全国にジワジワ広がりつつあります。
明るいパーラーではなく、夜の飲み屋街で食べる背徳のパフェ
お酒の席のシメに糖分が多いパフェ。カロリーが…、糖質量が…と一瞬、頭をよぎりますが、その冷たさとおいしさがたまらない。やはり、おいしいものは、おいしいのだ、と自分に言い聞かせつつ、夜の街でパフェを食べてしまう、という人も多いのではないでしょうか。
食欲の秋真っ只中、これから紅葉が見ごろを迎えつつある札幌に、おいしいパフェを食べに行ってみませんか。
〈参考:札幌シメパフェTM〉
〈参考:北海道ファンマガジン「シメパフェ文化はなぜ札幌に根付いたのか? 仕掛け人に聞くそのルーツ」〉
〈参考:朝日新聞DIGITAL「飲み会後は…シメパフェなぜ人気? ススキノ 寒空に行列」〉