<2022年お天気総決算②>お天気トレンド大賞
2022年12月13日
この1年で気象業界を賑わせた言葉や、新たに登場した言葉を選出する「お天気トレンド大賞2022」を発表します!日本気象協会所属の気象予報士110名による協力のもと、上位5位までを選出しました。
気になるランキングは?
2022年のお天気トレンドランキング(部分順位法による点数制、気象予報士110名)
日本気象協会に所属する気象予報士110名にアンケートした結果、1位に選ばれたのは「早い梅雨明け」でした。
TOP5や選んだ気象予報士のコメントなどを詳しく見ていきましょう。
1位「早い梅雨明け」
2022年6月の前半には、各地で続々と梅雨入りを迎えました。しかし、その同月には梅雨前線が北上し、東北北部をのぞくすべての地方で6月中に梅雨明けが発表。発表時の段階では、九州北部・中国・四国・近畿・関東甲信・北陸・東北南部地方では、「過去最も早い梅雨明け」でした。
「梅雨の期間が短い」というのも特徴の一つで、発表時の段階では、九州北部・中国・四国・近畿・東北南部地方では、統計開始以来、最も短い梅雨となりました。
しかし、九州から関東甲信では、7月中旬を中心に上空の寒気や前線、低気圧の影響で曇りや雨の日が多くなったことから、気象庁は「7月下旬」を梅雨明けの確定値として9月に発表しました。
<選考した気象予報士のコメント>
・「え?もう梅雨明けしちゃうの?夏、耐えられるの??というインパクトが強烈だった。」
・「気象庁は一旦早い梅雨明けを発表し、その後訂正したが、「梅雨」というものが年々変化してきているのではないかと感じた。」
・「梅雨明け早いけど、まだ前線現れそうだし、そうするんだ的なドキドキ感がたまらなかった。」
2位「電力需給ひっ迫注意報」
電力需給ひっ迫注意報(警報)とは、電力需給状況が極めて厳しくなると予想される際に経済産業省の資源エネルギー庁から発表される情報です。
2022年は3月下旬、6月下旬に電力需給ひっ迫注意報が発表されました。特に6月下旬は、異例の早さで発表された梅雨明け直後の猛烈な暑さの影響で、電力需給が増大したことから、6月26日から30日にかけて毎日「電力需給ひっ迫注意報」が発表されました。
<選考した気象予報士のコメント>
・「あらためて気象が生活の様々な場面に影響していることが明らかに。」
・「社会的影響の大きさ。1年を通じて原油高で、気象と電力について、注目が集まった年だと思います。」
・「新語。ラニーニャで猛暑なのに、この注意報が出ているときは、熱中症対策を考えさせられました。」
3位「酷暑日 」
※酷暑日とは、最高気温が40℃以上の日をいいます。
暑い日について気象庁が定義している言葉は、日最高気温が35℃以上の「猛暑日」までですが、ここ数年、40℃以上を観測する地点や夜間も気温が下がらない地点が多くなっています。暑さへの関心をさらに高め、熱中症予防の普及啓発・注意喚起を一層強化していく必要があることから、日本気象協会は、日最高気温が40℃以上の日は「酷暑日(こくしょび)」、夜間の最低気温が30℃以上の夜は「超熱帯夜(ちょうねったいや)」と呼ぶことを2022年8月に発表しました。
旧来の言葉では表せなくなってきている日本の猛暑。そう遠くない未来に「酷暑日」でも表せないような夏がやってくるかもしれません。
<選考した気象予報士のコメント>
・「地球温暖化の進行で、これまでのものさしを超過することが多くなり、新たな基準が必要になってきた。」
・「酷暑日、超熱帯夜を定義するほど、これまでに無い暑い日、暑い夜が当たり前に出現する事に驚いた。」
・「猛暑日超えの言葉が必要になるほど気温が上がる日が多くなった。」
4位「442年ぶりの天体ショー」
<選考した気象予報士のコメント>
・「442年という時に壮大さを感じ、見られたことがとてもありがたく思えました。」
・「全国的に観測された皆既月食。理科少年の純粋な気持ちがよみがえった。」
・「天体観測をする人からすると、快晴が望みというとっても高いハードルだったのに、日本各地でみられてよかった」
5位「トンガ噴火」
<選考した気象予報士のコメント>
・「火山噴火の気圧波に伴う津波という珍しい現象に驚いた」
・「世間的にトンガといえば噴火という印象になってしまったはず」
・「気圧変化が見えたことに驚いた」
2022年お天気トレンド大賞 まとめ
天気に関する言葉の中には、複雑なものやあまり聞きなれない言葉もありますが、今回選出された言葉の中で皆さんの印象に残っていた言葉はありましたか?
天気に関する言葉を通じて、より多くの方に天気をもっと身近に感じていただければ幸いです。
<調査概要>
調査対象:日本気象協会所属の気象予報士110名
調査期間:2021年11月17日(木)~11月24日(木)