冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性が高い エルニーニョ監視速報
2024年09月10日14:42
8月の実況
それによると、8月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.5℃で、基準値より低い値となりました。また、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の6月の値は0.0℃で、基準値と同値でした。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年より低くなりました。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動はほぼ平年並みで、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)もほぼ平年並でした。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られますが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつあることを示しています。
今後の見通し
以上のことから、今後、冬にかけて平常の状態が続く可能性もありますが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっています(60%)。
西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
8月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
【インド洋熱帯域:】
8月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されます。
ラニーニャ現象とは?
ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象を「ラニーニャ現象」と呼びます。
(「ラニーニャ(La Niña)」とは、スペイン語で女の子という意味で、「神の子キリスト」を意味する「エルニーニョ」の反対現象ということから名づけられました。)