台風6号ノロノロ 沖縄や奄美は長時間荒天 線状降水帯の恐れ 暴風・高潮に厳重警戒
2023年08月05日13:31
台風6号の進路予想 Uターン後もノロノロ
台風6号は、このあとも「ゆっくり(時速9キロ以下)」と、ジョギング並みの速度で東へ進み、6日(日)には沖縄地方や奄美地方にかなり接近する見込みです。その後、海面水温が29℃くらいと高いエリアを進むため再発達、7日(月)~8日(火)には九州の南で再び「強い」勢力となる予想です。また、8日(火)には太平洋高気圧も強まるため、東へ進めず、進路を北へと90度変え、9日(水)~10日(木)にかけて西日本に上陸、南から北へ縦断する恐れがあります。
沖縄・奄美地方 記録的な大雨や暴風
1時間雨量は、沖縄県渡嘉敷島で37.0ミリ、国頭村奥で34.0ミリなど、所々で1時間に30ミリ以上の激しい雨が降っています。また、72時間雨量の日最大値(5日正午まで)は、久米島で585.5ミリ(8月1位の値を更新)、久米島空港で513.5ミリ(2003年の統計開始以来1位)など、500ミリを超え、平年の2倍以上の雨が降っています。また、那覇市も348.5ミリと、8月平年(240.0ミリ)を上回る記録的な大雨となっています。
走行中のトラックが横転する猛烈な風・猛烈なしけに警戒
5日(土)~6日(日)に予想される最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルの予想です。週の初めに台風6号が通過した時は東よりの風でしたが、今回は西よりの風となるため、前回とは別の場所で暴風の被害が出る恐れがあります。
猛烈な風とは、平均風速が30m/s以上の風を表しています。時速だと、およそ110km以上で、特急電車並みの速さです。このような猛烈な風が吹くと、走行中のトラックが横転したり、多くの樹木が倒れたりする恐れがあります。電柱や街灯で倒れるものや、ブロック塀や住家が倒壊するものがでる可能性もあります。なお、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、時には3倍以上になることもあります。
屋外での行動は極めて危険ですので、猛烈な風が吹くと予想される場合は、不要不急の外出は控えるようにしてください。
また、台風の影響と大潮の時期が重なるため沖縄地方や奄美地方では、潮位が高くなる所があるでしょう。沖縄地方では5日いっぱい、奄美地方では6日にかけて高潮や高潮と重なりあった波浪による浸水に厳重に警戒して下さい。
線状降水帯の恐れ 大雨災害の危険度が急激に高まる
24時間に予想される雨量は、多い所で、
6日朝まで:沖縄地方・奄美地方で300ミリ
その後、6日朝~7日朝まで:奄美地方100~200ミリ、沖縄地方50~100ミリ
その後、7日朝~8日あさまで:奄美地方100~200ミリとなっています。
台風の動きが遅いため、同じような場所で大雨が続くため、「線状降水帯」が発生する恐れがあり、気象庁は事前に警戒を呼びかけています。線状降水帯が発生した場合は、局地的に更に雨量が増える恐れがあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。
線状降水帯発生予測がでたら
① いつもより大雨災害が起きる可能性が高い状況だということを認識し、テレビやスマートフォンなどで気象情報をこまめに見るようにしてください。
② 川の近くや土砂災害の危険のある地域にいる人は、避難する可能性があると考え、自治体から発表される避難情報に注意しましょう。この段階で、飲食品、貴重品、着替えなど避難所に持って行くものを再確認し、必要になればすぐに避難できる準備を整えてください。暗くなってからの避難は危険です。気象情報や避難情報をこまめに確認しつつ、明るいうちの避難を心がけましょう。
③ 避難先は、自治体の指定する避難所のほかに、安全な親戚・知人の家やホテル・旅館など複数の候補を考えておくと良いでしょう。感染症対策として、消毒液やマスクなども用意してください。感染が心配な方も、避難所の感染症対策は進んでいますので、他の避難先が思い浮かばない場合はためらわず避難所に避難してください。