北陸 渇水と猛暑が深刻化 30日間降水量0ミリも 農作物にも影響か 次の雨いつ
梅雨明け以降ほとんど雨降らず 30日間降水量は新潟・富山・石川で広く平年の2割以下 河川の干上がり、ダム貯水率0パーセントも
この極端な少雨や続く高温の影響で、富山県の早月川や新潟県の矢代川など、河川が干上がってしまった所があります。また、新潟県では五泉市の早出川ダムなど、貯水率0%となったダムもあり、農業関係を中心に深刻な水不足となっています。
高温も記録的 富山・金沢・福井で猛暑日日数最多記録更新、金沢では30日連続熱帯夜も
最低気温が下がらないのも特徴で、7月24日以降はほとんどの日が最低気温25度以上となっています。富山では日最低気温25度以上の日数が29日と、既に過去最多を更新中です。また、金沢では7月22日夜から熱帯夜が続き、8月21日朝で30日連続熱帯夜となりました。これも統計開始以来最長で、これまでの記録は1994年の28夜連続となっていました。
エルニーニョ現象でも猛暑・渇水 要因は地球温暖化に台風の動向が絡んだか?
この要因のベースとなるものは、地球温暖化の進行と見られます。猛暑日日数は年々増加傾向で、特に富山で猛暑日が急増傾向にあります。4都市合計日数は、1939年からの80年余りで20日以上も増える傾向です。猛暑日日数は地球温暖化の進行とともにさらに増えていく恐れがあります。
さらに今年の要因として、台風6号が沖縄付近を迷走し、太平洋高気圧を強める効果が長く続いたことも要因と言えそうです。また、台風6号の進行が遅かったことから、北陸地方では南寄りの山越えの風となる日が続き、フェーン現象が持続したことも高温に拍車を掛けました。
一方で、台風6号・台風7号ともに、雨の恩恵は北陸地方にはほとんどもたらしませんでした。台風7号の進路に近かった福井では、8月17日を中心にややまとまった雨となりましたが、新潟・富山ではフェーン現象でほとんど雨が降らず、渇水に拍車をかけることとなりました。
恵みの雨はいつ 台風はしばらく見込めず、前線次第か
これからの時期で、渇水の解消に最も効果的なのは台風ですが、向こう一週間は、台風が日本付近に近づく予想はありません。次に前線による雨ですが、26日頃から前線が北日本を南下して29日頃、北陸付近に停滞する予想があります。前線の活動次第ではまとまった雨もありそうですが、気象モデルの中には太平洋高気圧が強まって前線が北上するシナリオもあるため、少なくとも今月いっぱいまでは水不足が続いてしまうでしょう。
また、猛暑日や熱帯夜となる日が多く、最新の1か月予報では9月の前半までは気温が平年より高い傾向であるため、「厳しすぎる残暑」にも注意が必要です。
これまでの猛暑で農作物に大きな影響が出始めていますが、引き続き農作物の管理や家畜の管理には十分な注意が必要です。また、人間も続く暑さで体力が奪われていますので、熱中症対策も行うようにしましょう。