27日の13時頃から14時頃にかけて、宮崎県、鹿児島県の一部の地域、沖縄県、東京都小笠原村で観測できる今回の金星食。地球から見ると金星は面積があるため、月に隠れる時(潜入)と出てくる時(出現)に、それぞれ約1分弱の時間がかかります。望遠鏡を使うと、金星が月にだんだんと隠されていく様子や現れてくる様子を観察することができるでしょう。恒星食の場合は潜入も出現も一瞬で終わるため、金星食の潜入と出現は見どころといえます。細い月と丸みをおびた金星のかたちにも注目してみましょう。
那覇では、13時9分頃に金星が月の明るい縁に潜入し、約1分後にはすべて月に隠されます。約1時間後の14時10分頃、金星が月の暗い縁から出現し始め、約1分後に月の裏から完全に姿を現し、食が終了となります。潜入と出現の時刻や月のどの位置に出入りするかは、地域によって異なります。事前に確認してから観測しましょう。
今回の金星食を観測できない地域では、金星が月の北寄り(上の方)を通り過ぎていく「接近」となり、こちらも興味深い現象です。その様子は、双眼鏡を使うと昼間の光のなかでも観測することができるでしょう。
◆金星食が観測可能な地域と時刻
国立天文台暦計算室
「惑星食各地予報」・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報」アストロアーツ「2022年5月27日金星食」