平安時代は、文学に限れば女性の活躍が世界でも奇跡的と言えるほど活発でした。それは平安歌人を多く含む「百人一首」にも反映しています。ほぼ時代順に並べられた「百人一首」の和歌で、特に平安中頃の和歌が続く53番の道綱母から62番の清少納言までは、55番の藤原公任以外の9首すべてが女性の和歌で、最も女性が集中しています。今回は前半の4首をご紹介します。
三月八日は、「国際女性デー」でした。現在の世界各国の中で日本の女性の社会的活躍度は特に低いとされていますが、和歌の世界ではそんなことはありません。ここでは、特に女性サイドから見てみましょう。