文明社会の進歩とともに、寿命が延びてきた人間ですが、これからも伸び続けるものなのでしょうか。今まではっきり記録が残っている最長寿は122歳。そして、人類の寿命の限界は、おおよそ115歳である、と言う説もあります。が、一方で105歳を超えると逆に死亡率が下がり、人類の寿命の上限はまだはっきりしていない、と言う説もあります。
かつて、地球を分厚い水蒸気層が覆っていた、という仮説があります。上層の水蒸気圏によって地表は有害な宇宙線から守られ、また気圧が高い状態となり、生命は今よりもずっと長寿であった、というのです。荒唐無稽のように思われる向きもあるでしょうが、現在見つかっている中生代の巨大翼竜や巨大な雷竜の存在は、現代の気圧や重力をもとにして考えると、飛べもしないし歩けもしない、と言うことになってしまいますが、間違いなく彼らは歩き、飛んでいたわけですから、当時の気圧が今よりずっと高かったと考えると、説明がつくのです。
聖書などの古い神話で語られる大洪水神話は、その水蒸気層(water vapor canopy)の崩壊を意味するともいわれます。だからなのか、ノア以前の人間たちは皆長寿で、アダムからノアにいたる系譜では、ほとんど1000歳近くまで生きたと記述されています。人生が1000年あったとしたら、どれだけのことができるだろう、と夢が膨らみますね。退屈で死んでしまう人ももしかしたらいるでしょうか?
それはともかく、生命の寿命は、細胞分裂に関わる染色体の帯の両端にあるテロメアという塩基物質の紐の長さによると言われています。細胞分裂をして染色体がコピーされるたびに少しずつこの紐の長さが短くなっていきますが、このテロメア、ストレスなどのダメージや暴飲暴食によっても短くなり、また逆に、ヨガの瞑想や有酸素運動、海産物と豆類中心の食事や7時間以上の睡眠によって伸びる、ということもわかってきたようです。まだまだ謎の多いテロメアですが、今後研究が進むと、健康長寿の人が増えるかもしれませんね。
老人の日・老人週間日本人の「平均寿命」が過去最高を更新