さて、これで和風月名十二ヶ月全ての新解釈が完了しましたので、簡単にまとめて列挙してみます。
『睦月』天地の力が「むすび」合い、新たな生命活動の萌芽が「生(む)す」月なので「む月」
『如月』ぎざぎざに気温が上下し、草木の芽が「きざす(きさらぐ)」月なので「きさらぎ」※詳しくは
こちら『弥生』本格的な春が訪れ、草木は生い育ち、いよいよ心地よい気候になって「いや生う/いや良い」月なので「やよい」※詳しくは
こちら『卯月』動物たちは生殖の季節を迎え、次世代の卵や幼生たちが「生まれ出る月」なので「う月」※詳しくは
こちら『皐月』生き物の成長の勢いは頂点に達し、また風雨が盛んになってざわざわ、さーさーと自然界がさざめきさわがしい月だから「さ月」※詳しくは
こちら『水無月』生殖と成長の季節が終わり、どんぐり、栗、柿など、木々の枝には実が生じる。「実が生る月」だから「みな月」※詳しくは
こちら『文月』あぶられるような炎暑の時期。火(ひ・ほ・ふ)の作用がつよくなる「火充つる月」なので「ふみ月」※詳しくは
こちら『葉月』嵐(台風)が頻々と訪れ、大地・草木を「剥ぎ」取る。またそこを「接(は)ぐ」ように「萩」の花が咲く。「はぎ」の月だから「は月」※詳しくは
こちら『長月』実りの秋。豊富な食べ物を前にして「なごむ」月だから「なが月」※詳しくは
こちら『神無月』自然に作用し、生命活動を支えてきた隠れた力「神(隠)」が、山奥や谷奥の秘所へと帰る(直る)=「かみ・なおる月」なので「かみな月」※詳しくは
こちら『霜月』神の作用が減じた世界は沈降する。生命は萎れ、下へと沈み行く月なので「しも月」※詳しくは
こちら『師走』底土(しはに)が「氷(すが)」となるほど厳寒の月なので「しはす」
いかがでしょうか。和風月名は、「明治期以前の日本人が月名として使用していた」という説明が各所でなされていますが、実際には現在と変わらない数字月(1月、2月、3月…)や、十二支を月ごとに当てはめた十二月建が一般的で、昔の日本人にとっても和風月名は「意味のよくわからないミステリアスなもの」だったのです。歳時記等での説明とは相当かけ離れていると思いますが、賛否両論、闊達な意見をいただけるとうれしく思います。
2021年は辛(かのと)丑(うし)。「土生金」の相生になります。この一年が実り多い幸せな年でありますようお祈り申し上げます。