花粉症により繰り返す「目のかゆみ」 かゆみの少ない目を作るための対策や治療法は?
[PR]2021年01月14日
今年も花粉シーズン到来。花粉症患者にとって悩みのひとつである「目のかゆみ」やその治療法について、アレルギー疾患のエキスパートである医療法人社団慶翔会両国眼科クリニック理事長・深川和己先生にお聞きしました。「初期療法」や「プロアクティブ点眼」など、目のかゆみに効果的な治療法を詳しく解説。花粉シーズンを乗り切るための便利なアプリもご紹介します。
2021年花粉飛散予測発表!飛散開始前や飛散量が少ない日も要注意なワケ
今年も花粉シーズンが目前に迫っています。日本気象協会が発表した2021年春の花粉飛散予測(第2報)や、例年の飛散状況をもとに、日本気象協会所属の気象予報士・真田知世が、アレルギー疾患のエキスパートである医療法人社団慶翔会両国眼科クリニック理事長・深川和己先生に、花粉症患者の傾向や、目のかゆみの治療方法についてお聞きしました。
真田:今年もいよいよ花粉シーズンが近づいてきましたね。日本気象協会が発表した2021年春の花粉飛散予想(第2報)では、今年のスギ・ヒノキの花粉飛散量は九州から近畿、関東、東北の広い範囲で例年より少ない見込です。ただ、昨年の花粉飛散量が極端に少なかったことから、昨年比で見ると、九州から関東にかけて多く、四国や東海、北陸、関東の所々で非常に多い飛散量となる見込みです。そのため、今年も花粉症対策はしっかりと行う必要がありそうです。
深川先生:昨年は花粉の飛散が少なかった点に加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出を控える方が多かったという点もあり、花粉症の症状に苦しむ方はそれほど多くはなかったかと思います。その分、今年は油断せずにしっかり対策をした方が良いですね。
真田:花粉の飛散は例年2月上旬ごろから始まるのですが、花粉症患者さんはいつ頃から症状が出始めて受診する方が多くなるのでしょうか。
深川先生:花粉症患者の受診ピークは2月から3月頃ですが、早い方ですと1月頃から、さらに敏感な方は12月頃から目がかゆくなり始め、花粉症患者として診断されることが多いです。花粉飛散開始と定義される前のわずかな量の花粉の飛散で反応する方も多いようで、花粉の本格飛散の前から症状が出ているという方は花粉症患者の6割ほどいらっしゃいます。
真田:花粉シーズン真っただ中でも、天気によって花粉の飛散量が増減しますが、例えば雨の日などの花粉飛散量の少ない日は、花粉症の症状は楽になるのでしょうか。
深川先生:雨の日でも、室内などの乾いている場所に取り込んでしまった花粉によって症状が出てしまうこともありますので、「今日は花粉の飛散量が少ないでしょう」と予報されていても、あまり油断しすぎない方が良いですね。
花粉症の「目のかゆみ」 その対策と治療法 「プロアクティブ点眼」とは?
真田:花粉症の目の症状には、主にどのようなものがあるのでしょうか。
深川先生:花粉症の目の症状には、かゆみ、充血、むくみ、腫れなどがあります。その中でも、患者さんの生活の質(QOL)に一番影響を与えるのは、圧倒的に「目のかゆみ」が大きいということが調査(※1)でわかっています。
※1:深川和己:アレルギー・免疫, 15, 1554(2008)
真田:確かに、私自身もひどい花粉症で、花粉シーズンは涙や目のかゆみによって目をこすってしまうとアイメイクなどが崩れてしまいとてもやっかいです。花粉対策用の眼鏡もありますが、これらを着用したフル装備はやはり見た目が気になって躊躇してしまいます。
真田:花粉症の治療はいつ頃から始めると良いのでしょうか。
深川先生: 毎年花粉症の症状が辛くて憂鬱になる方は、花粉が飛び始める前から治療を開始する「初期療法」がおすすめです。
花粉飛散開始予測日の約2週前、または症状が少しでも現れた時点からアレルギー用の目薬の使用を開始することで、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすくなり、症状を抑えた状態で花粉シーズンの生活を送ることが期待できます。(※2)
※2:アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)
真田:早い時期からの治療が大切なのですね。それでは、花粉症による「目のかゆみ」に対する対策や治療法は、他にどのようなものがあるのでしょうか。
深川先生:まず基本的なこととして、花粉を目の中に入れないことが大切です。花粉防止用の眼鏡などを活用することをおすすめします。それでも目の中に入った花粉については、かゆみの元となる抗原タンパクが目の中で花粉から溶け出す前になるべく早く洗い流すようにしてください。目を洗うと言っても水道水で洗うのではなく、専用の洗眼薬を使うと良いです。最近はウェルウォッシュアイという点眼タイプの洗眼薬もあります。
真田:点眼タイプの洗眼薬で花粉を洗い流せるというのは良いですね。点眼タイプであれば手軽に持ち歩けて使い方も簡単なので、場所を選ばずに気軽に洗い流すことができそうです。目の中に入った花粉を洗い流す以外にも、対策や治療法はありますか?私の場合は、目がかゆくなったらかゆみを抑える目薬をさしているのですが、1日に何回も目がかゆくなるので、イライラしたり仕事や家事が手につかなかったりと、毎年困っています。
深川先生:これは、目薬の使い方がポイントになるかと思います。目薬には、実は用法(回数・タイミング)が決められているのですが、この用法をきちんと守って点眼している人は、アンケート調査によるとなんと4%(※3)でした。ほとんどの人はかゆくなってから目薬を点眼するようですが、この方法ではかゆみの少ない目を作ることはできません。かゆみの少ない目を作るためには、花粉症の時期に、かゆみが起きてから点眼するのではなく、症状がなくても用法(回数・タイミング)を守って点眼を続ける「プロアクティブ点眼」という治療法が有効です。
※3:深川和己 他:アレルギーの臨床, 39, 825(2019)
【上記調査における用法遵守群と用法逸脱群の定義】
■用法遵守群:いずれの状況※においても「点眼回数が1日に4回」、かつ「かゆみの有無にかかわらず、だいたい決まった時間(朝、昼、夕、就寝前)に点眼する」と回答した症例(40例)
※いずれの状況:シーズン中おおむね、症状が楽なとき、症状がひどいとき
■用法逸脱群:用法遵守群以外の症例(968例)
真田:「プロアクティブ点眼」によってかゆみの少ない目を作ることができるなら、アレルギーによる目のかゆみに悩んでいるすべての方におすすめしたいですね。ただ、コンタクトを付けていたり、忙しくて仕事中に目薬を差すことを忘れてしまったりといった悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。何か良い方法はありますか。
深川先生:いろいろなタイプの目薬が発売されていますが、中にはコンタクトレンズとの相性が良くないものがあり、1日の点眼回数も様々です。最近、医療用の目薬にも朝夕1日2回点眼するタイプのものが登場しました。それぞれの目薬に特徴があり、医療用にしかないものもあります。その人の体質やライフスタイルに合った目薬を選んで「プロアクティブ点眼」を行うことが大切ですので、ぜひ医師・薬剤師にご相談ください。
真田:様々なライフスタイルがある中で、きちんと医師や薬剤師の先生に相談して自分に合った薬を処方・選択してもらえば、毎日きちんと点眼できそうですね。
「かゆみダスアプリ」を活用して目のかゆみのない生活を目指そう!
深川先生:プロアクティブ点眼を続ける方におすすめしたいのが、参天製薬が開発した「かゆみダスアプリ」です。私自身もアプリの監修をしました。このアプリでは、花粉飛散量だけでは分からない「目のかゆみ注意報」を地域ごとに毎日確認することができ、日々の目のかゆみ対策に役立ちます。また、自分のかゆみについて記録ができるほか、お薬の使用時間のアラーム機能により点眼忘れを防止し、「プロアクティブ点眼」の実行をサポートしてくれます。
真田:確かに、早い人で1月頃から症状が現れ、春にかけてピークを迎える花粉症は、花粉症患者にとって、とても長い闘いとなります。自分ひとりで頑張ろうとすると途中で投げ出したくなるかもしれませんが、このようなアプリがあれば点眼のタイミングなど忘れずに済み、モチベーションにもつながりそうですね。花粉症による目のかゆみに悩まされている皆さまは、ぜひこのアプリを活用してほしいですね。