日没までに下山できそうにない!そんな失敗を回避するための基礎知識
2023年10月16日
日没までに下山するためのポイントを把握しておこう
そこで今回は、日没までに下山できないという失敗を回避するために、しっかりと頭に入れておくべき基礎知識をご紹介していきます。これから、少し難易度の高い山に挑戦する予定という人は、ここでご紹介する内容を頭に入れて登山計画を組みましょう。
登山前に日没時間を正確に把握しておく
感覚に頼らず正確に把握しておくことが大切
自分の感覚で「日没時間は17時30分くらい」と思っていたのに、実際には16時30分が日没時間だったとすると、1時間もズレが発生し、ちょっとしたトラブルで下山中に暗闇に包まれてしまうなんてことが実際に起きています。
さらに日没時間というのは、水平線に太陽が沈む時間ですので、たとえば登山ルートが山の東側だった場合には、太陽が山に隠れてしまいます。このため、日没時間よりもずっと早いタイミングで暗くなるので、さらにリスクが上がってしまいます。
いずれにしても基本となるのは「日没時間を正確に把握する」ことです。登山計画を立てるときに、必ず日没時間を確認しておきましょう。
日没の1~2時間前までに下山するように登山計画を立てる
日没前に確実に下山できるように計画を立てよう
1時間の幅を持たせているのは、登る山ごとに必要な余裕が異なるためです。難易度が高いケースや、長い距離を歩くケースでは日没の2時間前には下山できるように計画を立てましょう。里山や低山などで、登山道もしっかり整備されているなら日没1時間前でも大丈夫です。
ただし、1~2時間前というのは「少なくともそれまでに」という時刻であり、理想はお昼過ぎには下山していることです。そうなるとスタート時刻があまりにも早くなりすぎて、それによってリスクが高くなる山もあります。
大事なのはリスクを分散することです。お昼過ぎに下山するために真っ暗な時間からスタートするよりは、薄暗くなるくらいの時間からスタートして、日没の2時間前に下山するように計画を立てるほうが安全です。このように、最もリスクが低くなるように登山計画を立ててください。
予定していた行動時間の半分で引き返す
行動時間の半分を過ぎたら山頂手前であっても引き返そう
そのためには、予定していたよりも登るのに時間がかかっている場合には、登頂を諦めることが大切になります。そのときの基準はいくつかありますが、ここでおすすめするのは、登山計画で予定していた行動時間の半分を過ぎたら引き返すという判断基準です。
あと少しで山頂であっても、半分の時間を過ぎたら潔く下山しましょう。予定通りに登れていないということは、自分もしくは山のコンディションに問題がある可能性が高く、下山も手間取る可能性があります。そうでなければ計画が甘かったかのどちらかです。
どちらであったとしても、半分の時間で引き返さないと、日没までに下山できなくなる可能性があります。1度登頂を諦めて、改めて計画を練り直したうえで挑戦しましょう。
ヘッドライトとビバーク装備、防寒具を用意しておく
日没後は無理して下山しないこと
そのようなことは誰にでも起こることであり、山に入る上で想定しておかなくてはいけないトラブルのひとつです。秋に限ったことではありませんが、登山荷物の中には必ずヘッドライトとビバーク装備、防寒具を用意しておきましょう。荷物に余裕があるなら非常食も持っておいてください。
日没して、周りの道が見えない状態で無理に下山しようとすると、遭難する確率が上がります。それよりも安全な場所でビバークするのがおすすめ。道具があれば落ち着いて対応できますし、秋の夜でも体が冷えすぎてしまうこともありません。
ただし、何が安全なのかはケースバイケースで異なります。その判断ができないうちは、やはり昼過ぎには下山できる山を選んで登山を楽しみましょう。