
4月22日、気象庁が発表した3カ月予報によると、5月~7月の気温は全国すべての地域で「平年より高い」確率が「50%以上」と、“極端な暑さ”が予想されています。
4月に季節外れの暑さが続いた日本。
都内のクリニックでは、3月から熱中症の患者が確認されていて、4月に入ってさらに増えているといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
3月に熱中症というのは考えられないですね今までですと。初めてです。
“異常な暑さ”が再びやってくるのか。そして、気になるゴールデンウィークの空模様は?
「サン!シャイン」天達武史気象予報士が解説します。
GWの天気は?
天達武史気象予報士:
4月29日あたりまでは比較的過ごしやすいのですが、30日あたりから、東京・名古屋・大阪・福岡などは毎日最高気温25℃以上の夏日が続きます。朝の気温は20℃まで行かず、割と涼しいので、「きょう快適じゃん」と思っても、4~5時間すると夏日になっているということになります。
MC 谷原章介:
部屋の場合も気をつけた方がいいですか?
天達気象予報士:
部屋の場合も直射日光が当たると実際の気温よりもすぐ10℃くらい上がってしまうので。
ためらう方いらっしゃるんですけど、暑いと思ったらエアコンも試運転代わりにつけていただくというのも正解だと思います。
気象庁が22日に発表した5月から7月の3カ月予報によると…。
平均気温は暖かい空気に覆われやすいため全国的に高い。
降水量は梅雨前線の影響を受けやすい時期があり平年並か多い、となっています。
天達気象予報士:
今年の最大の特徴は、気温が高いということは晴れる日も多いんですが、雨もしっかり降るということです。
雨の日数は少ないのに1回で降る量がすごく増えるんじゃないかという感じですね。
晴れが続いた後、ゲリラ雷雨…のようなイメージになる可能性はあります。
天達気象予報士:
毎年暑さをもたらすのがチベット高気圧と太平洋高気圧です。梅雨くらいになると北上して日本の方にやってくるわけですが、この高気圧の北側に梅雨前線があります。この梅雨前線が今年結構活発になりそうなんです。
なぜかというと…フィリピン付近の海水温がかなり高くなる予想になっていて、台風も含めて梅雨時から積乱雲が発達し始めます。
それを太平洋高気圧が引き上げて湿った空気とか台風が日本に近づきやすくなる。台風が上陸しなくても雨雲のもとが梅雨前線を刺激して梅雨の期間大雨になる可能性が高くなっています。
梅雨が終わると太平洋高気圧が勢力を上げてきます。今年は、平年よりも北海道まで、広範囲に張り出し、日本は全体的に猛暑となります。チベット高気圧も北へ広がって、2つの高気圧が日本で重なる瞬間があります。そうするとダブル高気圧状態になって、40℃くらいの猛暑がやってくる可能性が出てきています。こうなった場合は、台風がいくら発生していたとしても高気圧にブロックされている形になるので台風は来ないです。
梅雨入りの概念が変わる
天達気象予報士:
6月くらいにシトシト降り始めて、7月くらいに大雨になって最後雷が鳴って梅雨が明けるというのがスタンダードな梅雨なんですけど、もうこんな梅雨はないです。
最近の梅雨は、いきなり大雨が降ってその後ほとんど降らないんですよね。忘れた頃にざっと降ってまた降らない日が続く。
去年の東京も大雨で梅雨入りした後、晴れの日が続き最高気温が35℃を超えた日も。
こんなの梅雨じゃない…と思いきや、降水量を見ると、各地で平年の100%以上降っているんです。
降り方が亜熱帯になってきていて、今年もその可能性があります。
去年は梅雨入りが結構遅かったのですが、今年は6月上旬くらいに関東~西日本付近は梅雨入りします。
梅雨は基本的に沖縄から始まり、東北で終わるのですが…今後は北海道付近で終わる形に変わってきます。
水害は今年も心配ですね。台風がよく発生するエリアで雲がまとまりそうなので、梅雨前線が停滞しているときは天気予報を必ずチェックしていただきたいと思います。
前倒し猛暑 早くに真夏日続出
3月に真夏日(最高気温30℃)を観測した地点は5地点で、1999年以来の観測です。
天達気象予報士:
梅雨入り前の東京でも真夏日が連発する可能性があります。5月の場合は、まだわりとカラッとしていますが、問題は梅雨の真夏日・猛暑日です。湿度がすごく高くなってくるので、今年は梅雨からエアコンを入れるタイミングだと思ってください。
今年のゲリラ雷雨は春から注意
4月10日、奈良市の学校のグラウンドに雷が落ち、部活動中の中学生と高校生6人が病院に運ばれる事故が発生しました。
天達気象予報士:
東京の年間の雷日数は14日くらいですが、去年は7、8月の2カ月で17日もありました。東京だけではなく、去年は全国的に雷が多かったです。
気温が上がってくると水蒸気が増えて雲のもとが増えます。そうすると、春先から、夏前のようなゲリラ雷雨が起こりやすくなります。今年も注意が必要です。
五感を使うことが大事です。雷の光や音、雨のにおいなど、異変を感じたらすぐ避難するのが正解だと思います。
松嶋尚美氏:
車の中は安心ですか?
天達気象予報士:
雷の場合は車で大丈夫なのですが…最近、雷が激しいときは竜巻も起こります。車も危ないので、頑丈な建物に避難した方がいいと思います。
台風から離れた場所でも注意
去年8月29日、鹿児島に台風10号が上陸したときに、遠く離れた神奈川県でも大雨警報が発表され、「遠隔豪雨」による被害が出ました。
天達気象予報士:
台風は、反時計回りに見えていない範囲の雲、例えば鹿児島に上陸したら関東まで渦が回っているんです。
最近の傾向で海がすごくあたたかくなっているので、水蒸気をどんどん補給して台風が見えていないところでも雨雲が次々と発生し、ゲリラ的な降り方が多くなっています。
実は、台風は数や強さはあまり関係なくて、どこでゲリラ豪雨が降るかという雨雲レーダーを逐一チェックしていただくというのが一番いいかなと思います。
(「サン!シャイン」4月23日放送)