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    10月でも台風シーズンは続く 「海面水温が高く 発生・発達の条件を大きく超えている」気象予報士が解説 台風23号の動向に注意を

    テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが気象の知識を解説するコーナー。今回は、「台風と海面水温」についてお伝えします。

    台風の「風向き」が天気を左右する

    10月8日の宮崎県内は、朝の通勤・通学の時間帯に南部沿岸で雨が降りました。日中は日差しが出たものの、午後にはまたレーダーで見ると、米粒のような細かい雨雲が発生しました。

    ここで古山予報士から問いかけが。

    古山予報士:
    きょうの雨雲はどこから来てどこへ行ったのでしょうか?

    児玉アナ:
    海側から来ましたね。

    そう、この日の雨雲は海側、北東から流れ込んでいたのです。古山予報士によると、その原因は「台風22号」

    古山予報士:
    台風は半時計回りの風が吹いていますので、この位置にあるとなると県内は北東の風が吹いて、この風に乗って雨雲が流れ込んできたというわけなんです。

    台風本体が遠くにあっても、その周りを吹く風が私たちの身近な天気に影響を与えることがあります。台風の位置によって、自分の住む地域にどちらの方角から風が吹いてくるのかを考えると、空模様の変化を予測するヒントになりそうです。

    新たな台風発生の鍵は「海面水温」

    さらに古山さんは、もう一つの「気になる渦巻き」について言及しました。10月8日午後3時、新たに台風23号が発生したのです。

    なぜ、この時期になっても台風が発生するのでしょうか。その答えは、日本の南の海の状態にありました。

    古山予報士:
    現在の海面水温、日本の南は30℃前後で、ブクブクと沸騰しているような状態なんです。台風の発生・発達の目安26~27℃を遥かに超えているような状況となっています。

    古山さんが示した海面水温の図を見ると、日本の南の海はピンク色になっていて、水温が非常に高いことがわかります。

    台風は、暖かい海水から供給される水蒸気をエネルギー源として発生・発達します。海面水温が26℃から27℃以上あることが一つの目安とされていますが、現状はそれを大きく上回る状態。これが、次々と台風を生み出す大きな要因のひとつとなっていたのです。

    週末の天気を知るヒントも「風向き」にあり

    発生した台風23号は、今後北上を続け、週末には沖縄、そして九州に接近するおそれがあります。

    古山予報士:
    土曜日、宮崎県内には東寄りの風が吹く予想で、この風に乗って海から雨雲が入りやすくなりそうです。この状況が土曜日、そして日曜日にかけて続くということで、沿岸部を中心に雨量がまとまるかもしれません。

    ここでもキーワードは「風向き」です。台風が予報円の西側を通るか東側を通るかで、宮崎県内に吹き込む風の向きや強さが変わり、雨の降り方も大きく変わってきます。

    10月9日(木)から10日(金)にかけては、高気圧の影響で気持ちのいい秋晴れが広がる見込みですが、週末の3連休(10月11日~13日)は台風の影響を受ける可能性があります。

    台風シーズンはまだ終わっていません。その発生の裏には「高い海面水温」という背景があること、そして台風がもたらす「風向き」が私たちの地域の天気を大きく左右することを覚えておくと、日々の天気予報がより深く理解できるかもしれません。

    (テレビ宮崎)

    10月でも台風シーズンは続く 「海面水温が高く 発生・発達の条件を大きく超えている」気象予報士が解説 台風23号の動向に注意を

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