春を報(しら)せる百円桜プロジェクト 東日本大震災から10年 桜の生長と共に振り返る
今回は、震災から10年の節目として、桜の生長と共にこのプロジェクトを振り返ります。
震災から1年後に「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」始動
100円玉には桜の花が描かれていますよね。桜の木をかたどった募金箱に、桜の花が描かれている百円玉を入れることで、募金箱に満開の桜が咲くようにデザインされました。
多くの方から募金をいただき、募金箱の桜の木は満開に。集まった募金は総額446,700円に達しました。
宮城県東松島市に30本の桜を植樹 「桜ライン311」などにも参加

まずは、宮城県東松島市矢本上沢目への植樹を行いました。東松島市の矢本は、古墳時代から奈良・平安時代まで使用されていた「矢本横穴墓群」という古墳群で有名な場所です。
住民の鹿妻二区の皆様と一緒に、シダレザクラ15本、ソメイヨシノ15本の合計30本の桜を植えました。

東松島市での植樹のようす(2012年5月4日撮影)
※「桜ライン311」とは「NPO法人さくらライン311」が、「桜基金」は「NPO法人さくら並木ネットワーク」がそれぞれ行っている桜の植樹活動です。いずれも、東日本大震災による津波の経験を風化させないために、津波到達地点に桜を植樹する活動を行っています。
桜はグングン生長 植樹の翌年にはシダレザクラが開花 ソメイヨシノは植樹から2年後に開花

初めて開花した東松島市のシダレザクラ(2013年5月2日撮影)
宮城県東松島市に植樹した桜は順調に育ち、植樹から翌年の2013年には、まだ添え木が必要な状態であったにもかかわらず、シダレザクラの木が見事に花を咲かせました。

初めて開花した東松島市のソメイヨシノ(2014年4月21日撮影)
桜の生長は一筋縄ではいかず 病気や折れてしまった木も

折れた桜の木の断片(2017年4月21日撮影)
生長する段階で、折れてしまったソメイヨシノの木もありました。根元には虫に食べられたような跡があり、風ではなく、虫にやられてしまったようでした。

花が咲かない桜の木(2017年4月21日撮影)
花が咲いたとしても、ソメイヨシノの一部の枝で、花芽がつかず葉っぱが茂っている状態が確認できる木もあり、これらはいずれも「てんぐ巣病」という病気にかかっている可能性もあるとのことでした。
桜の手入れをしてくださっている東松島市鹿妻地区の皆様と、病気とみられる桜の木の枝を切り落とす相談をするなど、試行錯誤しました。
最後の訪問は2年前の2019年 その後の桜の様子は?

宮城県東松島市の復興記念桜(2019年4月23日撮影)

病気になった枝を切り落として、切り口を保護した桜(2019年4月23日撮影)
東松島市 復興記念桜のアクセス

東松島市復興記念桜の地図
※現在は、新型コロナウイルス感染拡大の防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
住所:宮城県東松島市矢本上沢目
アクセス:(電車)JR仙石線 鹿妻駅から徒歩約15分/(車)三陸自動車道 鳴瀬奥松島ICから約10分
※車でお越しの際は、願成寺様を設定されると近くまでお越しいただけます。 鳴瀬奥松島ICからお越しの場合、願成寺様の少し手前にチェーン着脱場があり、そこから畑をはさんだ場所が復興記念桜が植えられた市道です。
~春を報(しら)せる百円桜プロジェクト~
1. 桜が描かれた百円玉で、東北に満開の桜を。 [2012年3月23日]
2. 一枚の桜が世代を超えて語り継がれる [2012年3月29日]
3. 善意の桜も花ひらく [2012年4月1日]
4. 東京は今年初めて20℃を超え [2012年4月5日]
5. 桜も温かい心で満開に(結果のご報告) [2012年4月10日]
6. 東北にさくらを植えてきました(植樹のご報告) [2012年5月18日]
7. 植樹した苗木は今(2012年9月) [2012年10月10日]
8. 桜ライン311に植樹 [2012年12月20日]
9. 「春を報せる百円桜プロジェクト」最後の植樹 [2013年4月24日]
10. 植樹から一年、桜の花が咲きました [2013年5月9日]
11. 崖の下にも3年、ついにソメイヨシノも花を咲かせました [2014年4月24日]
12. 復興記念桜・満開宣言! [2015年4月27日]
13. 雨にも風にも負けず 復興記念桜花開く [2016年4月22日]
14.今年も満開!あさって復興記念桜は6年生 [2017年5月2日]
15.【復興記念桜レポート】まもなく7年目 満開の報せとこれからの課題とは[2018年4月25日]
16.東松島市 復興記念桜 生長する桜とともに[2019年4月26日]