魚のフライに豚の丸焼き!? 知られざる! 世界のクリスマス料理事情
2014年12月24日
この時期、近所のスーパーでもローストチキン用の丸鶏が並ぶ日本。では、クリスマスの本場、キリスト教の国々ではどのような料理が食卓を彩るのでしょう。神話や民間信仰、キリスト教の風習など興味深い歴史から誕生した、各国のクリスマス料理について紐解いてみましょう!
クリスマスになぜ『鯉』!? 意外すぎる東欧のクリスマス
なぜ魚なのかは、キリスト教が迫害されていたローマ時代まで遡ります。『イエス・キリスト・神の・子・救い主』という言葉のギリシャ語の頭文字をつなげると、『魚』を表す『イクテュス』という言葉に。キリスト教徒たちはこのマークを仲間同士の暗号として使っていました。また、魚料理には断食の意味もあるよう。肉を絶って聖なる日を祝う、という気持ちが込められているのかもしれませんね。
サンタクロースの出身地、北欧で豚肉を食す理由とは…
北欧諸国では現在でもクリスマスのことをユールと呼びます。スウェーデン、ノルウェー、デンマークでも、ローストポークや豚肉のハムがクリスマスのメインディッシュとして定着しています。北欧神話とキリスト教が融合して、北欧では『豚』がクリスマス料理の象徴になったのですね。
七面鳥はアメリカ原産。では、ヨーロッパでの鳥料理の起源は?
ガチョウはヨーロッパの代表的な家畜で、豊饒のシンボルとして11月11日の『聖マルティンの日』と呼ばれる収穫祭に捧げられていました。冬の始まりとされるこの頃は、ちょうど脂がのってガチョウがいちばんおいしい時期であり、丸々太ったガチョウは大地の神々の恵みを表していました。民俗行事としての収穫祭がキリスト教化され、クリスマスにガチョウを食べる習慣が根付いたのです。
七面鳥は、16世紀の最初に新大陸からスペイン人がヨーロッパに伝えたものといわれています。それが次第に広まっていき、アメリカでクリスマスに七面鳥を食べる習慣が、19世紀に入ってからヨーロッパでも定着したと考えられています。
「食事をするのは笑うため、酒は人生を楽しむため」(旧約聖書)