冬の奇跡「ダイヤモンドダスト」!見られる条件・地域・楽しみ方を総まとめ
その美しさに加えて、北海道や本州の標高の高い場所など限られた場所でしか見られないため、一度は見てみたい絶景として人気が高まっています。
この記事では、ダイヤモンドダストとは何か、そして発生条件、見られる地域と時期、観賞する際のポイントをわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたも憧れのダイヤモンドダストに出会える確率がぐんと高まるはず!
ダイヤモンドダストとは
朝日に輝くダイヤモンドダスト
チリのように細かい氷の結晶に太陽の光が当たるときらきらと輝き、まるでダイヤモンドのような美しさです。ほかにも、「細氷(さいひょう)」や「天使のささやき」と呼ばれることもあります。
その美しさに加えて、見られる場所や時期が限られるとても珍しい現象であるため、写真家をはじめ、一度は見てみたいと憧れる方も多いでしょう。
そんな珍しいダイヤモンドダストですが、実は、上空の雲の中では日常的に起こっている現象なのです。雲の中では、日々たくさんの氷晶が生まれて成長し、ときに雪として、あるいは溶けて雨となって地表へと降ってきます。
私たちが見たこともないような遥か空の上で起こっている現象が、地表付近でも見られるなんて、なんだかとても不思議でわくわくしますね。
ダイヤモンドダストが見られる気象条件は?
ダイヤモンドダストが発生しやすい条件
<ダイヤモンドダストが発生しやすい条件>
・気温がおよそ-15℃以下
・よく晴れた日
・ほぼ無風
・ある程度の湿度がある
夜間から明け方にかけて晴れた日には、放射冷却が強まるため、朝の厳しい冷え込みが期待できます。なお、-10℃くらいで見られることもありますが、発生確率が高いのは-15℃以下といわれています。
特に、比較的気温が高め(-10〜-15℃)のときほど、高湿度でないと発生しにくいようです。さまざまな条件が関係するので一概には言い切れませんが、例えば北海道旭川市における調査事例(※1)では、-15℃より高い場合、湿度が90%を超えると発生することが多かったそうです。
※1 【参考】「希少な自然現象(ダイヤモンドダスト)の 発生条件の一般化に関する検討」(長谷川ほか)
ダイヤモンドダストはいつ・どこで見られる?
ダイヤモンドダストが見られる代表的なスポット
ダイヤモンドダストが見られる場所としては、北海道の内陸部や、本州でも標高の高い場所が知られています。
時期としては、いずれも1月〜2月頃の厳冬期を中心に発生します。また、時間帯としては朝に最もよく見られますが、条件さえそろえば夕方に見られることもあります。
特に代表的なスポットを、最低気温と一緒にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<代表的なダイヤモンドダストのスポット>
◆北海道
北海道では、寒さの厳しい内陸部を中心にさまざまな場所でダイヤモンドダストを見ることができます。
・更別村
過去最低気温-39.0℃、1月の月平均最低気温-15.4℃
・名寄市
過去最低気温-35.7℃、1月の月平均最低気温-14.7℃
・富良野市
過去最低気温-34.5℃、1月の月平均最低気温-14.4℃
◆岩手県
・岩洞湖(盛岡市薮川) ※2
過去最低気温-27.6℃、1月の月平均最低気温-13.2℃
◆長野県
・霧ヶ峰高原(諏訪市) ※2
(霧ヶ峰車山山頂)1月の月平均最低気温‐14.8℃(※3)
◆岐阜県
・高山市荘川町六厩(むまや)地区 ※2
過去最低気温-25.4℃、1月の月平均最低気温-11.3℃
もちろん、これら以外の場所でも、条件がそろえば見ることができます。
↓秋田県鹿角市内でダイヤモンドダストが見られた事例
「秋田県でダイヤモンドダスト見られる 秋田県鹿角で氷点下17.7℃」(2023年01月30日)
※2 リンク先の天気予報は、市役所付近の予報です。対象地域付近では10℃以上低い気温になることもあります。
※3 霧ヶ峰自然保護センターによる観測値
ダイヤモンドダスト観賞のポイント〜事前準備や撮影のコツ〜
ダイヤモンドダスト鑑賞におすすめの服装
◆装備・服装
ダイヤモンドダストが現れるまで極寒の中で長時間待機する可能性があります。観賞の際には、最強の防寒装備で臨みましょう。
(装備の例)
・保温性の高い肌着、フリースやセーター、インナーダウン、防寒ジャケット
・タイツ、防寒パンツ
・厚手の靴下、スノーブーツ
・耳まで覆う帽子、マフラーやネックウォーマー、厚手の手袋
◆事前の天気予報チェック
最終的に見られるかどうかは運もありますが、遭遇率を上げるには、最低気温、天気、風、湿度などの条件がそろいそうなときを、あらかじめ天気予報をチェックして狙いましょう。
◆写真を撮るコツ
ダイヤモンドダストの写真を撮る際には、背景に暗いものがくるようにして、逆光気味(ダイヤモンドダストの後ろの方から太陽の光が当たっている状態)に撮ると、きれいに写りやすいのでおすすめです。
準備を万全にして、憧れのダイヤモンドダストに会いに行こう!
ときには、ダイヤモンドダストの氷晶に太陽の光が屈折・反射して、別の現象を引き起こすことも。
朝日や夕日から光の柱が伸びて輝いているように見える「サンピラー(太陽柱)」、太陽の周囲に光の輪が現れる「ハロ(日暈)」、太陽と同じ高さの位置に虹色の光が現れる「サンドッグ(幻日)」など、複数の光学現象が同時に見られる、奇跡の瞬間に出会えるかもしれません。
ぜひ、しっかりと準備をして、極寒の世界だからこそ出会える美しい景色を楽しんでくださいね。
