日本の夏はジメ暑日が続いていた!?~tenki.jpラボVol.6その1~PR

2015年は、雨が多く、気温も平年並みから高めになることが予想されることから、平年に比べて“ジメ暑”な夏になりそうです。さらに、過去の気象データから、カイロやジャカルタ、ホノルル以上に東京はジメ暑指数が高く、過ごしづらい環境であるとも言えることがわかりました。
そろそろ夏本番!「暑さ」のピークは?

暑さの厳しい7月・8月の最高気温の推移を見てみました。主要都市として東京、名古屋、大阪、福岡の2ヵ月間について、過去10年間の日平均最高気温データをグラフ化しました。梅雨明け後の7月20日あたりから8月25日くらいまで、どの都市でも最高気温の高い日が続いています。これからの約1ヶ月間、日本が最も暑い期間を迎えることになります。
なぜ日本の夏は過ごしづらい?

しかし、日本特有の“蒸し暑い”夏には、気温だけでは表すことのできない体感温度や不快感による“体感的な暑さ”があります。人は気温が高くなると、汗をかいて体を冷やそうとします。汗は蒸発するときに体の熱を奪って体温を調節してくれるのですが、湿度が高いとなかなか汗が乾きません。そのため、汗によって体がベタつき不快感が上がるうえ、体温も下がりにくくなり、さらに体感温度を上げてしまうのです。
日本気象協会では、このように暑さだけではなく、湿度の高い状態が続くことでもたらされる「過ごしづらい暑さ」を表すための新たな指標として、気温と湿度を用いた「ジメ暑指数」を新たに定義いたしました。
さらに、このジメ暑指数が85以上になると、ほとんどの人が暑くてたまらず、ジメジメとした不快さを感じると考えられることから「ジメ暑指数が85以上の日=ジメ暑日(じめあつび)」と命名しました。なお、ジメ暑指数85は、例えば気温32度、湿度74%の場合に相当します。(目安:東京8月上旬の平年値、最高気温31.1℃、平均湿度73%)このような条件になると体感温度は実際の温度より約3℃も高く感じます。
世界と比較!日本の「ジメ暑」レベルは?

ジメ暑指数の比較をした世界の都市
ケッペンの気候区分によると、沖縄は亜熱帯気候、北海道では冷帯気候となりますが、日本の大部分は温暖湿潤気候に属します。乾季が無く、比較的過ごしやすい地域に分類されます。確かに年間を通してみると過ごしやすいのかもしれませんが、ジメジメする梅雨が過ぎ、夏真っ盛りになると、ムワッと暑く、はやく涼しくならないかな…と思ってしまいますよね。
また、この時期言えば、夏休み!ということで、長期のお休みを取って海外へ足を延ばす方も多いかと思います。バカンスだ!という方には、旅行先が暑かろうが寒かろうが、ワクワクの気持ちだけでオールOKかと思いますが、実は気持ちだけではなく科学的にも爽快感を味わえていたのです。その結果をご覧ください。
これからの夏休み期間を含む7、8月に注目して、2014年の世界各地の都市と東京のジメ暑指数を比較してみました。ピックアップした都市は、tenki.jp「世界天気」のトップページに天気予報マークを掲載している都市から12都市と東京です。
※ロンドン・モスクワはデータ不足のため解析から除外し、シドニーはデータの都合上、ケアンズに代替しました。

カイロ・ジャカルタ・ホノルルを抑えてジメ暑No.1の東京

このようにジメ暑日が続く頃の日本は、砂漠や熱帯を超えるくらい、世界的にみても「暑くてジメジメして過ごしづらい」特有な気候であることがわかります。
>>日本の夏はジメ暑日が続いていた!?~tenki.jpラボVol.6その2~