梅雨の「湿邪」。体がだるくて重いのは、湿気が溜まっているせいかもしれません
2015年07月08日
さっきまでは暑かったのに・・・
『湿邪』が溜まると、体が冷えて血がゆきわたらなくなる
水は人間になくてはならないものですが、湿度の高すぎるところに長時間いると発汗がうまくおこなわれず、余分な水分が排出できなくなってしまいます。東洋医学では、『湿邪(水の邪気)』が体内のいろいろな場所に溜まって「冷え」を起こすと考えられています。冷えると、血液の循環が滞って代謝が悪くなり、 汗や尿で水分をしっかり排出できません。むくみも起こりやすくなるのですね。
いつも眠い、疲れやすい、やる気がでない、気分が滅入る、肩が凝る、関節が痛む、お腹の調子が悪い、頭が重くすっきりしない、めまいや耳鳴りを感じる、口内炎ができる、夕方足がむくむ、腰がだるい・・・等々、夏の不調のほとんどは「冷え」が原因といわれています。
女性にとっては、皮膚トラブルなど美容上の問題だけでなく、生理痛・周期の乱れ・妊娠しにくいなど長期的で深刻な症状につながることも。
冷え症・痛み・憂鬱の原因は、自律神経の乱れ
急激な温度変化は、人にとって非常なストレス。それが自律神経を乱し、「冷え」や「痛み」を感じさせ、憂鬱な気分にします。自律神経は女性ホルモンの影響で乱れやすくなることから、女性は男性より気分がふさぎやすく、冷え性の人が多いのです。
「雨になると古傷が痛む」といいます。
低気圧や湿気でむくむことにより血行が妨げられ、完治した皮膚表面の下に残っている傷跡が圧迫されたり、痛みを感知する神経が刺激されるために起こるといわれています。
神経痛やリウマチなどの「痛み」で雨予報する方もいらっしゃいますが、 それが「また痛くなる」というストレスにつながっている場合も。血行をよくして、低気圧に備えたいですね。
「除湿」には半身浴がいちばん、温めるのは下半身!
雨が続くときは、降っている間は窓を閉めて湿気を入れないようにし、晴れたら窓を開けて風を通すようにします。部屋の湿度を40~60%に保つように、除湿したり乾燥剤を置いたりします。おでかけするときは雨に濡れないようにし、濡れたときはできるだけ早く拭き取って乾かします。
さらに、体内の余分な水分を汗や尿で排出しやすい状態にしましょう。
唐辛子やカレー粉は発汗を促します。 しょうが・ ニンニク・ねぎ・ニラ・みょうが・大葉・ミント など、この時期の「香りのする野菜」は消化力を強め、体を温めて代謝を上げます。
夏野菜は利尿作用があるものが多いのですが、生で食べると体を冷やすので、加熱調理をお勧めします。 生もの・冷たいドリンクなどの摂り過ぎには注意してください。
水は下に溜まるので、『湿邪』の症状は下半身にあらわれやすいのです。全身の血流をよくするためにも、靴下やスパッツの重ね履きなど、とにかく下半身をしっかり温めます。冷風に直接あたらなければ上半身は(裸に近いくらい)薄着でも大丈夫なので、暑いときはトップスで調節しましょう。
夏でもシャワーですませないで湯船に浸かるのがお勧めです。ぬるめの半身浴はリラックス効果で自律神経を整え、ストレスや痛みを軽減します。昔から温泉で古傷を癒したりもしますしね!
お散歩や運動、水が溜まりやすい関節まわりのストレッチも効果的です。
もちろん、「除湿」だからといって、はじめから水を飲まないなんて無茶はしないでくださいね。じゅうぶんな水分補給と排出のバランスで、この季節を健やかに過ごせますように。