本日、4月8日は忠犬ハチ公の日 ── ハチ公像に隠された知られざるエピソードとは?
渋谷駅前のシンボル「ハチ公像」
ハチ公像といえば、渋谷の待ち合わせ場所の定番。
そんなハチを一躍有名にしたのが1987年に公開された映画『ハチ公物語』です。
飼い主であった大学教授の上野英三郎の死去後、約9年間にわたり渋谷駅に迎えに行き続けたハチの姿に涙した人もたくさんいたことでしょう。
ハチのエピソードは海を越え、2009年にアメリカで『HACHI 約束の犬』が公開されるほどにまで反響を呼びました。
そんなハチをかたどった渋谷の像の興味深いエピソードをいくつかご紹介します。
戦時中、ハチ公像が溶かされた?
実は、この頃ハチはまだ生きています。ですからハチもこの除幕式に出席していたとのこと。
想像すると不思議でもあり、微笑ましくもある姿ですね。
そんなハチ公像も戦争の影響を受けました。それは、第二次世界大戦の終戦前日、1945年8月14日の出来事。
当時、武器などの資源にするため、金属類回収令が政府から出され、何とハチ公像もその対象になってしまったのです。
それだけ追い詰められていた当時の日本の逼迫した状況は想像を絶しますが、ハチを知る人にすれば、なんともいえない気持ちだったことでしょう。
ハチ公像があるのは渋谷だけではない!?
秋田犬であるハチが生まれた大館市のハチ公像
「ハチ公口」という出口があるくらい、ハチ公といえば渋谷というイメージがついています。
ですが、実はハチ公像があるのは渋谷だけではないのです。ハチの生誕の地である秋田県大館市の大館駅前など、渋谷以外のハチゆかりの地にも像が建てられています。
なかでも、昨年に公開され話題となったのが、東大農学部のキャンパス内にあるハチと上野博士の像です。
同大学教授であった上野博士を想い、2015年3月8日に除幕式が行われたばかりのこの像。
その姿が実に感動的なのです。ハチが上野博士にうれしそうに飛びついている姿は「80年ぶりの再会」といった声が数多く寄せられました。
渋谷再開発でハチ公像はどこへ?
渋谷駅周辺は再開発工事が進行中
JR、東京メトロ、東急線と入り組んだ複雑な作りが解消され、さらに新たなビルが3棟できるという大がかりなもの。
しかも、この再開発がすべて完成するのは2027年ですから、まだしばらく先の話ですね。
そこで注目されているのが「ハチ公像は一体どこに行くのか?」という問題です。
大開発の波に巻き込まれ、ハチ公像も動かされるのでは……という噂がありますが、今の段階では未定だそうです。ただ、渋谷のシンボルとして残ることはきっと間違いないでしょう。
── ちなみに、ハチの命日は3月8日なのですが、忠犬ハチ公の日と定められたのは「4月8日」……。
これもまた不思議なエピソードのひとつです。