一陽来復!江戸時代から続く冬至の日の過ごし方。東京・早稲田「穴八幡宮」で金運UP
2015年12月21日
金運アップにご利益あり?! 江戸時代から人々で賑わう「穴八幡宮」の冬至祭
冬至の日は毎年大勢の参拝者で賑わう穴八幡
毎年この神社で冬至の日に行われるのが「冬至祭」。江戸の元禄年間あたりから、冬至の日の「穴八幡宮」は早朝から人々で大賑わい。歳末の江戸の風物詩となっています。
金銀融通のお守り「一陽来復(いちようらいふく)御守」は、冬至から節分まで頒布
境内にも詳しい説明書きが(写真は昨年のもの。恵方は毎年変わります)
「一陽来復(いちようらいふく)」とは、冬至の別名。太陽の力が最も弱った後に日々回復していくことから、冬が終わって春になるという意味や、これから幸運が訪れるといった、ポジティブな意味合いがある言葉です。
穴八幡宮に伝来する「一陽来復御守」は、財運・金運アップのお守りとして、江戸から今に伝わる特別なものなのです。
さて、このお守り、白い紙を丸めたような円筒形の立体的な構造。つまり、筒状になっているのですが、この中にお祓いされた金柑(キンカン)と銀杏(ギンナン)が1個ずつ包まれています。
キンカンとギンナンで「金」と「銀」。
金銀財宝に不自由することなく、融通がついて苦しむことがないということから、金運アップ、商売繁盛を願う人々が広く全国から集うのだそうです。
「一陽来復御守」の頒布は冬至の日から、翌年の節分まで。たとえ冬至に行けなくても、節分までに行けば受けられますので、都合のいい日にぜひ参拝しておきたいところですね。
お守りを受けた帰りは境内で「柚子(ゆず=融通)」を買い、三朝庵で縁起物の「融通そば」を
おろし天ぷらそばも柚子が香る融通そばに
(「湯治」にかけた「冬至」の風習、「柚子湯」にもつながりますね)
お守りもいただき、柚子も求めたら、ぜひ神社のはす向かいにある「三朝庵」へ。ここは、早稲田大学出身者なら知らない人はいないというおそばや。「元大隅家御用」とか「元近衛騎兵連隊御用」という看板にちょっぴり威厳が漂う江戸創業の老舗ですが、店内は早大生ご用達のあったかい感じのお店です。
(カツ丼やカレーうどん発祥の地であることでも有名です)
この店で冬至から節分までいただけるのが、縁起物の「融通そば」。一陽来復のお守りが頒布される期間中は、必ず毎年立ち寄っていく参拝者も多いようです。一杯そばを食した後、女将さんに「また来年もくるよ」なんていって常連さんが帰って行くのも、冬至の日ならではの情景です。
「融通そば」は、どんなものかといえば、そばのつゆに柚子の皮を入れたもの。特製の「ゆず粉」をたっぷりかけていただきます。
(天麩羅そばでも、きつねそばでも、柚子を添えればこの期間は、どれでも融通そばになるというわけです)
「一陽来復御守」は冬至、おおみそか、節分いずれかの夜中12時に恵方に貼るべし
冬至、大晦日、節分に祀りましょう(説明書きも昨年のもの)
穴八幡宮へお守りをいただきに行くのは、冬至~節分のいつでもいいのですが、自宅に貼ってお祀りできる日は、わずか3日間。冬至、大晦日、節分の夜中12時ジャストに、その年の恵方へ文字を向け、部屋の壁か柱のなるべく高いところに貼ると決められているのです。
お守りといっしょに詳しい説明書もいただけるので、あらかじめ読んでおき、方角と貼るタイミングなど事前に準備してから、しっかりと落ちないようにお祀りしましょう。除夜の鐘と同時に貼るというのも、いい節目になりそうですね。
無病息災を祈る意味合いもある冬至。健やかな生活のベースとなる金銀融通を願うのも、昔も今も変わらない一般庶民の願いです。
……明日の冬至は、(お近くの方は)穴八幡宮へお参りに行くもよし。柚子湯に入るもよし。カボチャや小豆などを食べるもよし(南京、餡と「ん」がつく冬至の縁起もの)。
あわただしい年の瀬ですが、しばしほっと一息つく時間をとって、一年をふりかえりつつゆったりとお過ごしください。