春のうちに行う暑さ対策 暑熱順化とは? 日常生活でできる効果的な行動やおすすめ食材も紹介!
夏を迎える前に始めたいのが、「暑熱順化」です。
最近では、学校の部活動などにも熱中症対策として導入されているところもあり、徐々に認知度は広まってきています。昨年の暑さを振り返りながら、今一度、「暑熱順化」の大切さを確認しましょう。
また、暑熱順化を始めるタイミングの目安をお伝えする「暑熱順化前線」についても紹介しています。
2024年は2023年に並ぶ、「過去最も暑い夏」に

年間の猛暑日(日最高気温が35℃以上)日数は、福岡県太宰府市で62日と国内の歴代最多記録を更新しました。猛暑日の連続日数も過去最多となった地点が多く、同じく福岡県太宰府市は40日と国内の歴代最長記録を更新しました。
また、2024年は猛烈な暑さが「長期間」続いたことが特徴的で、5月から9月の熱中症による救急搬送者数は97,578人と、2008年の調査開始以降、こちらも最も多くなりました。
暑熱順化とは

人は運動や仕事などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇します。体温が上がった時は、汗をかくこと(発汗)による気化熱や、心拍数の上昇や皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節しています。この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。
暑熱順化がすすむと、発汗量や皮膚血流量が増加し、発汗による気化熱や体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなります。
日常生活でできる暑熱順化に効果的な行動

屋内では筋トレやストレッチなどの程度な運動、そして意外かもしれませんが、入浴でも暑熱順化に繋がります。シャワーだけで済ませず、湯船にお湯をはって入りましょう。お湯の温度が高めの場合には時間は短め、温度が低めの場合は少し長めの入浴することがおすすめです。
暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための動きや活動を始め、暑さに備えましょう。
※これはあくまで目安となります。上記を行っても必ず暑熱順化できるわけではありません。
また、実施時は個人の体質・体調、その日の気温や室内環境に合わせて無理のない範囲で行ってください。運動時は屋外や室内の天気や気温などの環境の変化に注意し、水分や塩分を適宜補給して、熱中症に十分注意してください。
暑さに負けない!おすすめ食材

また、レモンや梅干し、酢などのクエン酸や、赤ピーマンやオクラなどのビタミンCが含まれるものもおすすめです。これらを特に意識しながら他の栄養素もバランスよく摂るようにしましょう。
2025年「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第1回)」を発表!

2025年は、沖縄と九州の西側では4月下旬、広島や大阪、名古屋では5月中旬、東京や札幌では5月下旬が暑熱順化開始の目安とされています。
今年の4月から5月の気温は平年並みの所が多いですが、晴れて日差しが強い日は急な暑さに注意が必要です。