高潮のしくみ
高潮が発生するしくみ
高潮は、台風や発達した低気圧などによって発生します。高潮が発生する仕組みには「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」があります。
■吸い上げ効果
台風などにより、気圧が大きく低下すると、1ヘクトパスカルあたり海面を1㎝吸い上げる力が働きます。これを「吸い上げ効果」といいます。
■吹き寄せ効果
台風などによる強風が海側から陸地に吹いたとき、海水が海岸に吹き寄せられて海面水位が上昇します。これを「吹き寄せ効果」といいます。この効果は、風速が2倍になると4倍の海面上昇をもたらします。また、遠浅の海や湾の地形によっては、さらに海面水位が高くなる場合があります。
満潮時は特に注意
満潮時は海面水位が高いので、その時間帯に台風が接近する場合には注意が必要です。満潮は通常、1日に2回起こり、新月と満月の時には潮位がより高くなります。また、台風シーズンの夏から秋にかけての潮位は、他のシーズンに比べて高いことが知られています。
台風進路による影響
台風による強風が海側から吹きつける地域では、海水が吹き寄せられて潮位が高くなります。
一般的に、北半球では台風進路右側において進行方向に風が吹きつけるので、吹き寄せ効果の関係によって、進路左側より海面水位が上昇するといわれています。台風の進路次第で風向きが大きく変わりますので、進路にも注意が必要です。